初戦で父を超えた中嶋一貴、リタイヤ佐藤琢磨は気持ち切り替える。

2008/03/16 23:56 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


今年もオーストラリアグランプリ(GP)で開幕したF1世界選手権。今季は、昨季の最終戦・ブラジルGPで10位の完走デビューを果たした元F1ドライバー・中嶋悟氏の息子、中嶋一貴選手がウィリアムズのドライバーとしてフル参戦しており、スーパーアグリの佐藤琢磨選手とともに大きな注目を浴びているのだ。

フル参戦初戦とあって緊張しているかと思いきや、予選直前の3月13日の公式ブログでは、寿司などの日本食を楽しみ、「週末に向けての準備としてはパーフェクトじゃないですかね。」とつづっていた中嶋選手。15日の公式予選では、佐藤選手やマシントラブルに見舞われた昨季王者キミ・ライコネン選手(フェラーリ)を上回る14位という結果を残し、決勝では7列目からスタート権を獲得した。しかしF1ファンの目は厳しく、「Yahoo!ズバリ予想」では「18位以下、そのほか(リタイア、失格など)」が最多票を集めていたのだ。

16日に行われた決勝は、スタート直後にフェリペ・マッサ選手(フェラーリ)が壁に激突したほか、多重クラッシュによってジェンソン・バトン選手(ホンダ)やアンソニー・デビッドソン選手(スーパーアグリ)が1周もできずにリタイアするという、波乱の幕開けとなった。その後も3度もセーフティカーが入るなど、最終的にはコース上に9台しか残っていなかったのだ。19番手スタートの佐藤選手は一時10番手まで順位を上げたのだけど、32周目にマシンを降りている。

大荒れのレースの中で、中嶋選手もロバート・クビサ選手(BMW)と接触する事故を起こしたものの、ピットイン後にレースへ復帰。その後は順調に周回を重ね、予想を大幅に上回る7位でゴール。その後、ルーベンス・バリチェロ選手(ホンダ)が失格になったことを受け、6位に繰り上がった。この繰り上がりによって、父悟氏が残したフル参戦デビュー戦の日本人最高記録7位を更新することとなったのだ。

ただ、平均速度は3位に入ったチームメイトのニコ・ロズベルグ選手(194.298キロ)だけでなく佐藤選手(192.809キロ)を下回る190.751キロにとどまっており、他の選手たちが脱落して得た6位であることからも、手放しで喜べる入賞ではないかも。

一方、佐藤選手はリタイアに対して「誰もが懸命に頑張って、ここまで漕ぎ着けていただけに、とても残念です」(公式サイトより)としながらも、「今日はとても貴重なデータを収集することができたと思うので、いまからマレーシアでスタートを切るのが待ち遠しくて仕方ありません」(同)と、すでに次戦へと気持ちを切り替えているようなのだ。

次のマレーシアGPは3月23日に決勝が行われる予定。中嶋選手の真価が問われるとともに、佐藤選手の活躍にも期待したいのだ。


◎オーストラリアGP 決勝
1位 ルイス・ハミルトン(マクラーレン)
2位 ニック・ハイドフェルド(BMW)
3位 ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)
4位 フェルナンド・アロンソ(ルノー)
5位 ヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)
6位 中嶋一貴(ウィリアムズ)
7位 セバスチャン・ブルデー(STRフェラーリ)
8位 キミ・ライコネン(フェラーリ)

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.