「ワースト記録更新」のイチロー外野手、米メディアでもニュースに。

2008/03/12 21:54 Written by コジマ

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日本のプロ野球同様、オープン戦真っ最中の米大リーグ。日本人選手たちも開幕に向けてそれぞれ調整を続けているのだけど、気になるのがシアトル・マリナーズ・イチロー外野手の不振。3月11日のコロラド・ロッキーズ戦も無安打に終わり、26打席(23打数)連続ノーヒットを記録した。これは2005年の公式戦ワースト記録である24打席(22打数)を超えるもので、8試合を重ねても一向に改善する気配がないのだ。

この不調は「春の珍事」としてすでに日本のメディアでは大きく取り上げられていたのだけど、“ワースト記録更新”に対して静観していた地元メディアもイチロー選手を直撃。ついには、大リーグ公式サイト「MLB.com」や米誌スポーツ・イラストレイテッドなどに不振を心配する記事が掲載されたのだ。

3月9日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で相手遊撃手の好守に安打を阻まれたことについて、日本のメディアに対し「どっちかっていうと、あそこはアウトになろうと思った。今の状況で、あれでヒットでは、ちょっとイヤだからね。あれがヒットだと、見ている人がつまんない」(中日スポーツより)と、わざとアウトになったことをにおわせる発言するなど余裕を見せていたのだけど、米メディアの取材に対しても「正直に言って、この状況を喜んでいる部分もある」(MAJOR.JPより)とコメント。また、「春季キャンプでこんな事態は経験してこなかった。自分に打ち勝つためには是が非でも必要な状況だ。今こうした経験ができるのは、自分にとってかなり大きい。ヒットが1本出てしまえば、それ以上の体験ができない」(同)とも語っている。

また“ワースト記録更新”については、日本のメディアに「まあ(自己ワーストは)超えておいたほうがいいね。悪いことは(本番前の準備で)つくっておかないといけないから」(産経新聞より)、「(この時期に)悪いことは作っとかないといけないですから。とってもいいことじゃないの」(デイリースポーツより)と語るなど、平然とした様子なのだ。

一方、スポーツ・イラストレイテッド誌に対しては「マック(ジョン・マクラーレン監督)がうろたえ出したら、問題化するかもしれない」と答えているのだけど、そのマクラーレン監督は「日本のメディアに、イチローは何週間か(3Aの)タコマに行くかもって言ったら、気でも狂ったのかという目で見られたよ」(MAJOR.JPより)とジョークを飛ばすなど、気にもしていないみたい。また、ファンも「(不調が)彼の人気を落としたとは言えないんじゃない?」(スポーツイラストレイテッドより)としているのだ。ただ、イチロー選手は「結果が必要なことも理解しているが」(MAJOR.JPより)ともコメントしている。

とはいえ、「天才」といわれるイチロー選手のこと、シーズンが始まればオープン戦での不調がウソのような活躍を見せてくれそうなのだ。ちなみにイチロー選手は、スポーツ・イラストレイテッド誌の「カブスの福留孝介外野手に会った際にアドバイスしたか」という質問に対して「ぼくは彼にアドバイスする立場にない」とし、「それはこの春に安打がないから?」という意地悪な問いにも「いや、ぼくはコーチじゃないからね」と笑顔で答えたのだそう。

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