ゼロックス杯のカード乱発判定に両チームから批判、抗議文提出へ。

2008/03/01 23:52 Written by コジマ

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前年のJ1年間優勝チームと天皇杯優勝チームが戦うJリーグ開幕前の風物詩、ゼロックス・スーパーカップ。今回は前回の浦和同様、鹿島がJ1王者と天皇杯制覇の2冠に輝いていたため、天皇杯準優勝のJ2に降格した広島と対戦した。J2のチームが出場するのは、史上初のことだったのだ。

岡田武史、イビチャ・オシムの新旧日本代表監督が観戦する中、試合は前半7分に鹿島のDF岩政大樹選手が警告を受け、12分には2枚目のイエローカードで退場。広島もMF李漢宰選手が38分に2枚目の警告を受けて退場となった。10人対10人となった両チームはともに決めてを欠いて前半を折り返したのだけど、後半4分と7分に鹿島が立て続けにゴール。後半開始早々に、広島を2-0と引き離した。しかし、広島がPKとFW佐藤寿人選手の得点で同点に追いつき、PK戦を4-3で制した広島が優勝したのだ。

J2チーム初出場で優勝となったものの、この試合で注目されたのはイエロー11枚、レッド3枚の計14枚のカードが乱発されたこと。また、広島の1点目であるPK判定には誤審の疑いが持たれ、PK戦でも鹿島が止めた2本がやり直されるといった不可解なジャッジが目立った。カード14枚のうち3枚は試合終了後に猛抗議した鹿島の選手に出され、怒った鹿島サポーターがピッチに乱入するなど、なんとも後味が悪い試合となってしまったのだ。

この試合を裁いていたのは、家本政明主審。日本サッカー協会(JFA)が定めるスペシャルレフェリー9人の中の1人なのだけど、誤審やカードを乱発することなどがたびたび問題となっていた。2006年9月には「判定で一貫性を欠く」として、JFAから実質的出場停止の「研修」を命じられている。国内試合には昨年から復帰し、まだ問題点は克服されていないものの、改善していると評価されていた。

今回の判定に対して、敗れた鹿島だけでなく広島の選手からも疑問の声が上がっており、鹿島は広島の1点目となったPK判定に対する抗議文を提出する予定なのだとか。また、鬼武健二チェアマン「審判は反省しているはず。リーグ開幕までに準備をやり直してほしい」(時事通信より)と不備を認めることを示唆している。

この試合は3月8日に開幕するJリーグにも影響し、退場となった岩政選手、大岩選手、李選手は開幕戦に出場できない。鹿島のオリベイラ監督は「判定にコメントする必要はない」(サンケイスポーツより)としながらも、「何が起きたのかは、ピッチの上に表れている。きょうのような出来事がリーグ戦に悪影響を及ぼさなければいいが…」(同)というコメントを残しているのだ。

ネットでは家本主審に対してはもちろんのこと、鬼武チェアマンの「こういう試合でJ2が優勝したのは、いいことではない」(時事通信より)という発言に対しても非難の声が上がっている。いずれにせよ、JFAがどのような裁定を下すのかが注目されるのだ。家元主審に対する処分だけでなく、退場となった選手の救済措置も考えてくれればいいけれど……。

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