「英国のグラミー賞」といわれるブリット・アワード(ブリッツ)に対し、リスナーの意見が大きく反映される英音楽誌NME主催のNMEアワード。UKミュージックシーンの旬が分かる賞として、世界から注目を浴びている。今年は最多6部門にノミネートされていたアークティック・モンキーズが、最優秀ブリティッシュバンド賞、最優秀トラック賞(「フロレセント・アドレセント」)、最優秀ビデオ賞(「テディー・ピッカー」)を獲得。昨年を上回る3冠に輝き、3年連続で最多受賞者となった。最優秀アルバム賞は、ニューレイヴ世代の象徴的バンドとなったクラクソンズの『近未来の神話』が獲得している。
デビューから数々の賞を獲得し、「ポスト・オアシス」の呼び名にふさわしい評価をされているアークティック・モンキーズ。今年は、ブリッツに続いてNME アワードでも英国No.1バンドの称号を手に入れた。しかし、ブリッツで最優秀賞を獲得したセカンドアルバム『フェイヴァリット・ワースト・ナイトメアー』に対してNME誌読者は「NO」と評価したようで、最優秀アルバム賞はクラクソンズの『近未来の神話』に譲っている。
最優秀新人賞はそのアークティック・モンキーズをライバル視しているジ・エナミーが受賞し、最優秀ソロアーティスト賞に輝いたのはブリッツでも最優秀女性ソロアーティスト賞を受賞したケイト・ナッシュ。最優秀インターナショナルバンド賞には、米国出身のザ・キラーズが選ばれた。また、最低アルバム賞はブリトニー・スピアーズの『ブラックアウト』、最低バンド賞はデビューアルバム『ザ・トリック・トゥ・ライフ』がUKアルバムチャート1位を獲得したザ・フージアーズとなっている。
同賞はミュージシャン以外も表彰する賞を設けており、BBCの大人気コメディ番組「The Mighty Boosh」が2年連続で最優秀TVショー賞に輝いたほか、同番組の出演者であるノエル・フィールディングがベストドレッサーと最もセクシーな男性の2賞を受賞。このほか、最もセクシーな女性はカイリー・ミノーグ、年間ヒーロー賞はベイビーシャンブルズのピート・ドハーティで、ワーストドレッサーにグラミー賞5冠のエイミー・ワインハウス、年間悪人賞にジョージ・ブッシュ米大統領が選ばれた。
さらに特別賞として、マニック・ストリート・プリーチャーズが功労賞、画期的な販売方法で業界を騒然とさせたレディオヘッドが音楽革新賞(最優秀バンドブログ賞も受賞)、グラスヴェガスがNME 推薦の新人に与えられるPhilip Hall Radar賞を受賞している。
[NMEアワード2008 結果]
◇最優秀ブリティッシュバンド賞
アークティック・モンキーズ
◇最優秀インターナショナルバンド賞
ザ・キラーズ
◇最優秀ソロアーティスト賞
ケイト・ナッシュ
◇最優秀新人賞
ジ・エナミー
◇最優秀ライブバンド賞
ミューズ
◇最優秀アルバム賞
『近未来の神話』 クラクソンズ
◇最優秀トラック賞
「フロレセント・アドレセント」 アークティック・モンキーズ
◇最優秀ビデオ賞
「テディー・ピッカー」 アークティク・モンキーズ
◇最優秀ミュージックDVD賞
「アンプラグド」 ニルヴァーナ
◇最優秀ライブイベント賞
レディング-リーズ・フェスティバル
◇最優秀TVショー賞
「The Mighty Boosh」(BBC コメディ番組)
◇最優秀ラジオ・ショー賞
「ゼイン・ロウ・ショー」(BBCラジオ1)
◇最優秀映画賞
「コントロール」
◇最優秀ウェブサイト賞
Facebook(米SNS)
◇最優秀ライブ会場賞
ウェンブリー・スタジアム(ロンドン)
◇年間ヒーロー賞
ピート・ドハーティ(ベイビーシャンブルズ)
◇年間悪人賞
ジョージ・ブッシュ(米大統領)
◇ベストドレッサー
ノエル・フィールディング(英コメディアン)
◇ワーストドレッサー
エイミー・ワインハウス
◇最低アルバム賞
『ブラックアウト』 ブリトニー・スピアーズ
◇最低バンド賞
ザ・フージアーズ
◇最もセクシーな男性
ノエル・フィールディング(英コメディアン)
◇最もセクシーな女性
カイリー・ミノーグ
◇功労賞(Godlike Genius)
マニック・ストリート・プリーチャーズ
◇Philip Hall Radar賞
グラスヴェガス
◇音楽革新賞(John Peel Award for Musical Innovation)
レディオヘッド
◇最優秀ダンスフロアー満員賞
「レッツ・ダンス・トゥ・ジョイ・ディヴィジョン」 ザ・ウォンバッツ
◇最優秀アルバムアートワーク賞
『ザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーン』 ザ・グッド、ザ・バッド・アンド・ザ・クイーン
◇最優秀バンドブログ賞
レディオヘッド(www.radiohead.com/deadairspace)
◇最優秀音楽ブログ賞
The Modern Age (www.themodernage.org)