第28回ラジー賞発表、リンジー・ローハン主演作が歴代最多受賞。

2008/02/24 23:31 Written by コジマ

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米映画界で最も栄誉ある賞、アカデミー賞の授賞式開催まであと数時間。米芸能情報紙バラエティが行った読者直前予想によると、作品賞はジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の「ノーカントリー」(49%)、主演男優賞は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ=ルイス(64%)、主演女優賞は「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」のジュリー・クリスティ(48%)、監督賞はコーエン兄弟(63%)がそれぞれ1位になっている。同紙の読者は業界関係者が多いことから、指標として注目されているのだとか。

さて、同賞授賞式の前日に、米映画界で最も不名誉な賞であるゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の受賞結果が発表された。28回目を迎えた今年は、リンジー・ローハン主演のホラー作品「I Know Who Killed Me」が最多9部門にノミネートされたほか、エディ・マーフィ主演のコメディ作品「マッド・ファット・ワイフ」が8部門の候補となっていた。

この2作品は主演俳優が1人2役以上をこなしており、リンジー・ローハンは最低主演女優賞に2役分と最低スクリーンカップル賞、3役に加えて脚本も務めたエディ・マーフィは最低主演男優賞、最低助演男優賞、最低助演女優賞、最低スクリーンカップル賞、最低脚本賞の5部門にノミネート。個人候補の過去最多記録を打ち立てたのだ。

この2作品は授賞式でも他を寄せ付けず、「I Know Who Killed Me」は最低作品賞、最低主演女優賞、最低スクリーンカップル賞、最低リメイク賞、最低監督賞(クリス・サイヴァートソン)、最低脚本賞に加え、新設の最低ホラー映画賞も受賞した。主演女優賞はリンジー・ローハンがAubrey役とDakota役でダブル受賞したため、全部で8賞。ラジー賞の歴代新記録を達成してしまったのだ。

一方、「マッド・ファット・ワイフ」は最低男優賞、最低助演男優賞、最低助演女優賞の3部門の受賞にとどまったのだけど、すべてエディ・マーフィ個人だったことから、こちらも新記録となっている。

上記2作品が受賞しなかったのは、ノミネートされていなかった最低序章・続編賞のみ。同部門は「Daddy Day Camp」が受賞しているのだけど、この作品はエディ・マーフィー主演の「チャーリーと14人のキッズ」の続編で、「マッド・ファット・ワイフ」にも出演していたキューバ・グッディング・ジュニア(最低主演男優賞候補)が主演しているのだ。

とはいえ、ここまで「最低」と言われると、どんな作品なのか見てみたくなるから不思議。また、「ラジー賞にノミネートされない映画こそ最低の映画」ともいわれているのだ。ちなみに、かつては、95年に「ショーガール」で最低監督賞を受賞したポール・バーホーベン監督や、05年に「キャットウーマン」で最低主演女優賞を受賞したハル・ベリーが授賞式に姿を現して観衆から喝采を受けたのだけど、今年は「時価4.89ドル(約520円)」という粗末なトロフィーを受け取りに来た受賞者はゼロだった。


◎第28回ゴールデンラズベリー賞結果
最低作品賞
 「I Know Who Killed Me」
最低主演男優賞
 エディ・マーフィー(「マッド・ファット・ワイフ」)
最低主演女優賞(タイ受賞)
 リンジー・ローハン=Aubrey役(「I Know Who Killed Me」)
 リンジー・ローハン=Dakota役(「I Know Who Killed Me」)
最低助演男優賞
 エディ・マーフィ=Mr. Wong役(「マッド・ファット・ワイフ」)
最低助演女優賞
 エディ・マーフィ=Rasputia役(「マッド・ファット・ワイフ」)
最低スクリーンカップル賞
 リンジー・ローハン×2(「I Know Who Killed Me」)
最低リメイク(盗作)賞
 「I Know Who Killed Me」 ※映画「ホステル」、映画「ソウ」、テレビ番組「パティ・デューク・ショー」の盗作として
最低序章・続編賞
 「Daddy Day Camp」
最低監督賞
 クリス・サイヴァートソン(「I Know Who Killed Me」)
最低脚本賞
 「I Know Who Killed Me」(ジェフリー・ハモンド)
最低ホラー映画賞
 「I Know Who Killed Me」

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