1月下旬に中国の芸能界に震撼させた若手人気俳優、エディソン・チャン(陳冠希)の「プライベートセックス画像」流出事件。写っていたのはセシリア・チャン(張柏芝)、TWINSのジリアン・チョン(鍾欣桐)、キャンディス・チャン(陳文媛)、レイチェル・ンガン(顔穎思)など海外でも有名な大物スターが含まれていたことから、中国語圏だけでなく日本や米国でも話題になったのは既報のとおり。すでに別の人と結婚している女優や清純派として知られるアイドルもいたので、本人はもちろんのこと、ファンにも大きなショックを与えていたのだ。
当初流出した写真は200枚余りなものの、香港警察は1300枚以上と発表。このことから、1カ月近く経った現在も事態は収束するどころかますます過熱しており、2月10日には現在交際中の恋人ヴィンシー・ヨン(楊永晴)のヌード写真までネットに流れてしまった。これにヴィンシーの父である実業家の楊超成氏が激怒し、ヴィンシー本人もエディソン・チャンのプロポーズを拒否したと報道されているのだ。
エディソン・チャンはCD発売や出演映画の公開が延期し、映画出演も中止。有名監督のバリー・ウォン(王晶)氏は「彼は俳優としてはもう終わりだろう」(中国情報局より)とコメントした。また、中国の芸能界は大混乱を来し、写っていた女性タレントの自殺説まで流れたのだ。しかし、エディソン・チャンは事件直後に渡米。ジリアン・チョンが公式会見を開いて「以前は天真(子供のように無垢)でおろかだった」「自分も周囲の人間も大きな打撃を受けた」(ともにハリウッドチャンネルより)と語ったのに対し、本人は雲隠れしてしまったのだ。
2月5日には弁護士を通じてビデオメッセージを発表したのだけど、同17日に予定されていた記者会見を欠席。矢面に立たない態度に批判が殺到し、エディソン・チャンも被害者だとしていた中国語圏メディアも、「性行為などの写真を撮影する趣味があったエディソン自身に非があった」(中国情報局より)との論調が目立ち始めているのだとか。
そのエディソン・チャンが2月21日、事件後初めてマスコミの前に姿を現して記者会見を行った。国内外から100人以上の記者が詰め掛けた中で、ビデオ発表時と同様に写真が自分のものであること、流出写真に写っていた女性タレントと家族、自身の父母、香港市民への謝罪などの声明を英語で読み上げ、「香港芸能界から引退し、今後は自分のすべての時間を慈善活動に費やす」と発表したのだ。
俳優として人気絶頂の中で引退という、思い切った決断に驚いた人も多いと思うけれど、国内外のネットではエディソン・チャンに対する批判は鳴り止まない。芸能情報サイト「HOLLYWOOD GRIND」が実施した「エディソンは本当に反省した?」という投票では、2月21日午後11時現在で「Yes」の758票に対して「No」が1155票と大きく上回っている。これまでの雲隠れが影響しているのか、ファンは会見の内容に納得していないようなのだ。質疑応答が一切受け付けなかったため、同サイトは「エディソンの謝罪は誠実さに欠けていた」ともしている。
この事件は、関係者に深い心の傷を与え、中国芸能界に混乱を呼んだのはもちろんのこと、国内外で10人近い逮捕者を出した捜査やネット規制を強化する意向を示している政府に市民が猛反発するなど、社会問題にまで発展している。すべての写真が流出していないことも含め、事態はまだまだ収束しそうにないのだ。