ビートルズやローリング・ストーンズをはじめ、世界に名だたるミュージシャンを輩出している英国。それだけに国民の音楽への関心は高く、各メディアでは「歴代最高の曲」「歴代最高のアルバム」などのランキングが盛んに行われている。こうした中、英月刊音楽誌Qが、レコードチェーンのHMVとともに「歴代最高のブリティッシュアルバム50(THE 50 BEST EVER BRITISH ALBUMS)」調査を実施。その結果、並み居るビッグネームを抑えてオアシスのデビューアルバムとセカンドアルバムがトップ2を独占し、ほか2作品もトップ50入りを果たした。
この調査は、Q誌とHMVが1958〜2008年にリリースされたアルバムのうち3作品を読者や顧客に選んでもらったもの。投票が多かった上位50作品を発表した。
『オアシス』が1位、『モーニング・グローリー』が2位、最新作の『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』が14位、サードアルバムの『ビィ・ヒア・ナウ』が22位にランクされたオアシスは、2006年に週刊のライバル誌NMEが行った「歴代最高のアルバム20」でも『オアシス』が1位になっており(『モーニング・グローリー』は5位)、2度にわたって憧れのビートルズに勝利する形となった。
そのビートルズは『リボルバー』が4位に選ばれたほか、NME誌の調査で2位だった『サージェント・ペパー・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が6位、『アビイ・ロード』が12位、通称ホワイトアルバムの『ザ・ビートルズ』が19位、『ラバー・ソウル』が21位と最多5作品がランクインし、面目を保っている。また、オアシスがビートルズのほかに敬愛するストーン・ローゼズとザ・スミスもそれぞれ5位(『ストーン・ローゼズ』)、16位(『クイーン・イズ・デッド』)に入った。
また、『OKコンピューター』が3位だったレディオヘッドは『ザ・ベンズ』(11位)と最新作『イン・レインボウズ』(40位)、『狂気』が9位だったピンク・フロイドは『ザ・ウォール』(30位)と『炎〜あなたがここにいてほしい〜』(44位)、ミューズは『アブソルーション』(23位)、『オリジン・オブ・シンメトリー』(28位)、『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』(34位)、コールドプレイは『静寂の世界』(26位)、『X&Y』(32位)、『パラシューツ』(47位)と、それぞれ3作品(コールドプレイはメジャー発表全作品)がランクインしている。
このほか、近年のミュージシャンではキーン(『アンダー・ザ・アイアン・シー〜深海〜』が8位、『ホープス・アンド・フィアーズ』が13位)、アークティック・モンキーズ(『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』が18位、『フェイヴァリット・ワースト・ナイトメアー』が42位)が2作品、さらに今年のグラミー賞を総ナメにしたエイミー・ワインハウスの『バック・トゥ・ブラック』も35位と健闘した。
しかし、06年興行収入世界一のローリング・ストーンズは2作品選ばれたものの『メイン・ストリートのならず者』が48位、『レット・イット・ブリード』が50位と振るわず、再結成ライブが世界的な熱狂を呼んだレッド・ツェッペリンは29位の『レッド・ツェッペリン IV』のみ、活動再開が注目されているザ・フーも33位の『フーズ・ネクスト』のみなど、意外な結果も出ている。