テニスの錦織圭選手が日本勢16年ぶりの快挙、ランキングも急上昇。

2008/02/18 22:01 Written by コジマ

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今季も開幕したテニスの世界大会。1月の全豪オープンでは、男子はロジャー・フェデラー選手(スイス)が連覇を逃す波乱が起きてノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)が初優勝。女子は準々決勝で世界女王のジュスティーヌ・エナン選手(ベルギー)を破ったマリア・シャラポワ選手(ロシア)が初の栄冠を勝ち取ったのだ。

4大大会は5月の全仏オープンまで試合がないのだけど、男子プロテニス協会(ATP)や女子プロテニス協会(WTP)のツアーは続々と開催されている。その1つである米フロリダのデルレイビーチ国際選手権が2月11日に開幕し、17日の男子シングルス決勝で世界ランキング244位の錦織圭(にしこり・けい)選手が同12位(第1シード)のジェームズ・ブレーク選手(米国)を下し、ツアー初優勝を果たした。ATPツアーの日本勢優勝は、1992年に韓国オープンを制した現スポーツキャスターの松岡修造氏以来、16年ぶり2度目の快挙なのだ。

錦織選手は島根県松江市出身の18歳。5歳でテニスを始め、松岡氏のジュニア育成プロジェクト「修造チャレンジ」に参加し、03年にはボリス・ベッカー氏(ドイツ)や松岡氏を育てた名伯楽、ボブ・ブレット氏(オーストラリア)に師事するため米国に留学。いきなりジュニア世界大会で準優勝した。その後も、06年に全仏オープン男子ジュニアダブルスで日本人男子初の四大大会制覇を達成し、プロ転向した昨年はインディアナポリス選手権でベスト8に入るなど、日本テニス界期待の星とされていたのだ。フジテレビ系「すぽると!」で単独インタビューを受けるなど、日本での注目度も高まりつつあった。

ツアー6戦目となる今回のデルレイビーチ国際選手権では、ノーシードのために予選から出場。相手選手の途中棄権によって1回戦を勝ち抜くと、世界ランキング111位のボビー・レイノルズ選手(米国)、同62位(第3シード)のサム・クエリー選手(米国)など格上選手たちを次々に下して決勝に進出。決勝では今年の全豪オープンでベスト8に入ったブレーク選手に苦戦したものの、3-6、6-1、6-4で逆転しツアー初制覇を達成したのだ。

これによって、最新の世界ランキングも244位から131位に急上昇(ブレーク選手も9位に)。今年の得点を競う「ATPレース」でも24位に入った。錦織選手は「ブレークに勝ったなんてまだ信じられない。彼はテレビで見たことがあるだけの人。」(夕刊フジより)、「前夜決勝で勝つことを想像しようとしたが、できなかったくらい。自分の人生でベストの大会となった。」(時事通信より)と喜びを語りながらも、「第1セットは神経質になったが、第2セットから自信を持てた。この9日間で8試合やったが、疲れは感じなかった。」(同)と大器の片鱗を感じさせるようなコメントも寄せている。また、今回対戦したブレーク選手は「ケイはこれからいくつものタイトルをとるだろう。この1週間、彼は本当にすばらしかった。明るい未来が待っている」(夕刊フジより)と絶賛している。

近年、日本のテニス選手は杉山愛選手(世界ランキング41位)や森上亜希子選手(同48位)ら女子の活躍は目立つものの、男子は95年ウィンブルドン選手権ベスト8の松岡氏以後は、世界トップレベルの選手が不在。久しぶりに今後が楽しみな男子選手が出てきた。目標は「松岡氏」とのことだけど、その松岡氏が「びっくりしたとともにうれしいが、このくらいの実力は持っているとも思っていた。 世界のトップ10入りや4大大会優勝の可能性を持っている。 僕の先の道を切り開いてほしい」(日刊スポーツより)しているように、それ以上の活躍が期待できそうなのだ。

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