「YAWARA!」「MASTERキートン」「MONSTER」と、次々にヒット作を飛ばすなど、日本を代表するマンガ家の一人に数えられる浦沢直樹。その浦沢直樹の2000年代を代表する作品に「20世紀少年」があるなり。1999〜2006年まで、「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に連載された「20世紀少年」は、国内外の数々のマンガ賞を受賞しているだけでなく、第6回文化庁メディア芸術祭でも優秀賞を獲得するなど、非常に業界の評価が高いことでも知られているなりが、ファンの間ではその「終わり方」や「風呂敷の広げ方」に対する批判も多く、面白いかどうかの評価は真っ二つといった感じなりよ。ただ、単行本は22巻で2,000万部を売り上げており、「売れている作品」であることは間違いないなりね。
そんな「20世紀少年」の実写映画化が初めて公にされたのは2006年11月のこと。その後、ちょこちょこと出された情報では「2008年に公開」「3部作を予定」「堤幸彦監督がメガホンを執る」という程度のことは分かっていたなりが、全体像はベールに覆われていたなりね。この間、「あの壮大なストーリーを映画に収めるのはムリ」「映画にすればグダグダ感が引き締まるのだろうか」「映画ではあまりヒット作がない堤幸彦監督という点が心配」などなど、ファンからは思い思いの感想が聞こえてきていたなり。
そして迎えた2008年2月、ついに映画版の概要が発表されたなりよ。注目の主演を務めるのは唐沢寿明で、ほかに豊川悦司、常盤貴子が起用されることに。また、予告通り3部構成の壮大なスケールの作品となり、第1章は2008年8月30日、第2章は2009年新春、第3章は2009年秋の公開予定で、製作費は邦画としては異例の60億円にもなるというなり。さらに、すでに米国、イギリスをはじめ世界34か国で配給されることも明らかになったなりね。
ちなみに、撮影はすでに1月からスタート。堤幸彦監督は公式ブログの1月8日付けエントリーで「大騒ぎのうちに映画『20世紀少年』の撮影が始まった。映画の公式HPのトップに公開までのカウントダウンがいてどきどきする。じっと見てるといてもたってもいられなくなる」と心境をつづっているなりよ。また、「映画が越えるべきハードルの多さはフルマラソン状態の障害物競走のよう。連日の途方もない苦闘が想像できるのだ。しかし素晴らしい原作に素晴らしいキャスト、身に余る光栄な作品だ、どんな苦闘でも走って走って走りまくらねば…。がんばるぞ!ドンとこ〜い」と「20世紀少年」への意気込みを語っているなりね。
果たして実写映画版は原作ファンが納得できる出来になるのかどうか。3部作である以上、第1章の出来が悪ければグダグダな展開になることは想像に難くないだけに、堤幸彦監督にとっても大きな勝負作となりそうなりね。「20世紀少年」の実写映画版、皆さんは期待と不安どちらが大きいなりか?