「最強左腕」サンタナ投手がメッツ移籍、投手史上最高額で契約。

2008/02/03 16:48 Written by コジマ

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米大リーグのトレード市場で、最も注目されていたミネソタ・ツインズのヨハン・サンタナ投手。150キロ台の速球と鋭い変化球を武器に2004年以降は毎年15勝以上を挙げ、28歳にしてサイ・ヤング賞を2度(04、06年)満票受賞している「現役最強左腕」なのだ。それゆえに、サンタナ投手の行方によってメジャーの勢力図が変わるといわれていた。

そんな大エースをツインズがなぜ手放すことになったのかというと、昨季中に球団側が提示した4年8000万ドル(約85億円)の契約延長をサンタナ投手が拒否したため。今季終了後にフリーエージェント(FA)権を獲得する同投手が移籍するのは明らかで、球団としてはいまのうちに放出して他球団の有望選手を得たほうが得策と判断したのだ。

15勝以上を期待できる「最強左腕」放出に各球団が色めき立ち、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツの3球団が乗り出した。ヤンキースが若手の有望株4選手を提示し、レッドソックスも即戦力選手4人で対抗したのだけど、スター候補生の乏しいメッツは劣勢を強いられていた。このため、ヤンキースとレッドソックスの2球団が争うとみられていたのだ。

ところが、昨年12月の球団代表会議(ウィンターミーティング)でヤンキースが謎の撤退宣言をし、レッドソックスも交換要員を取り下げるなど難色を示すようになった。ヤンキースは若手有望選手の成長を重要視したブライアン・キャッシュマンGMがオーナーであるジョージ&ハンク・スタインブレナー父子を説得したいわれており、レッドソックスはワールドシリーズを制覇したメンバーからほとんど変化がないため有望選手を放出して補強する必要はないと判断したようなのだ。

ここで困ったのがツインズ。今オフはFAでトリー・ハンター外野手(ロサンゼルス・エンゼルスへ)とカルロス・シルバ投手(シアトル・マリナーズへ)ら有力選手が流出したので、なんとしても補強したかった。しかし、残ったメッツもツインズが望んだホセ・レイエス内野手の放出を拒否。大型トレードは難航してしまったのだ。

それでも1月29日にメッツが示したカルロス・ゴメス外野手とマイナー3選手にツインズが合意し、サンタナ投手のメッツ移籍が確定。2月2日に契約が発表された。契約は6年総額1億3750万ドル(約146億5000万円)。バリー・ジト投手(サンフランシスコ・ジャイアンツ)を抜く投手史上最高額で、年平均でも1位。年平均は全体でもアレックス・ロドリゲス内野手(ヤンキース)に次ぐ歴代2位となったのだ。

7年目の選択権は球団が持つものの、期間内に一定条件をクリアすれば契約延長が確定するとのことで、7年目を含めると1億5000万ドル以上になるのだとか。いやはや、とんでもない額なのだ。

サンタナ投手は球団広報を通じて「メッツでプレーできることに興奮している。ワールドシリーズのトロフィーを持ってくるための力になりたい」(参詣スポーツより)とコメント。「最強左腕」が、エース不在だったメッツの8年ぶりとなるワールドシリーズ制覇に貢献するのか、注目なのだ。

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