タランティーノ監督がパパラッチを撃退、「YouTube」などで話題に。

2008/02/02 16:39 Written by コジマ

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Narinari.comでもお伝えしたように、1月17〜27日にインディペンデント映画の祭典であるサンダンス映画祭が開催され、コートニー・ハント監督・脚本の「Frozen River」がグランプリ(審査員大賞)を獲得した。ハント監督にとって映画初作品となった同作は、カナダから米国に密入国する母娘を暗く、サスペンスフルに描いているとのことで、公開が楽しみ。映画祭期間中、最初に配給会社を獲得した作品でもあるのだ。

「Frozen River」をグランプリに強く推したのが、ドラマ部門の審査委員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督。同作について「映画のように見えなかったし、感じなかった。アメリカでの貧困の描写には驚くばかりで、息をのんだよ。それから後半に入って悪徳が芽生えてくる。最後のひとコマまでその悪徳が心をかきむしるんだ。この完璧で自然な映画は、今年見るスリラーの中でもおそらく最も興奮する1本になると思う」(eiga.comより)と絶賛していた。

タランティーノ監督は、1992年のサンダンス映画祭でデビュー作「レザボア・ドッグス」がプレミア上映され、グランプリにノミネートされた。それを機に世界へと羽ばたいただけに、サンダンス映画祭の審査委員長を務めることに、感慨もひとしおだったのではないだろうか。

ところがその映画祭期間中、タランティーノ監督に事件が起きた。ユタ州パークシティに滞在中に、パパラッチに暴力を振るったというのだ。その一部始終を収めた映像が動画投稿サイト「YouTube」などにアップされ、米国で話題となっている。

その映像によると、店からコーヒー片手に出てきたタランティーノ監督に対し、パパラッチがビデオを撮影。許可なくプライベートを写されていることに腹を立てた同監督が「ここ何やってるんだ? ここで何をしているんだって聞いてるんだ!」と語気荒く詰め寄るものの、パパラッチは笑いながら無視した。これに怒った同監督は、ビデオカメラを跳ね飛ばし、威嚇。パパラッチは転倒しつつもめげずに追いかけて挑発し続け、同監督が去るまでをとらえている。カメラを跳ね除けて威嚇しただけなので、暴行にはならないかも。

この映像について、各動画投稿サイトでは「相手しないで逃げればいいのに」という批判的な意見もあるものの、「タランティーノ最高!」など称賛する声が多数を占めている。しつこいパパラッチにファンも腹を立てているようなのだ。中には「カメラをたたいてない。カメラを下げようと手を伸ばして、パパラッチがカメラを引いただけだ」とする意見も出ている。また、YouTubeには映像の「キル・ビル」バージョンもアップされているのだ。

追いかけらる側のスターたちはファン以上に怒り心頭で、昨年だけでもヒュー・グラント、ジュード・ロウ、ピアース・ブロスナンらがパパラッチへの暴行で逮捕されている(いずれも不起訴処分)。今年に入ってもビョークの暴行が報じられたのだけど、ブリトニー・スピアーズは自分を追いかけて逮捕されたパパラッチ4人を自宅に招いてパーティを開くという、理解不能な行動に出ているのだ。ちなみに、ブリトニー・スピアーズはタランティーノ監督が構想中の「ファスタープッシーキャット キル!キル!」リメイクへの出演を依頼されているとのこと。

英紙タイムズの「セレブリティ対パパラッチの争いベスト10(The top 10 celebrity versus paparazzi scuffles)」では、そのブリトニー・スピアーズが5位、ヒュー・グラントが6位、ピアース・ブロスナンが7位、ジュード・ロウが8位に選ばれている。今回のタランティーノ監督がベスト10に入りするかは微妙だけど、これで話題になったらパパラッチの思うつぼ。耐え難いだろうけど、やっぱり無視するのが一番のようなのだ。参考までに、タイムズ紙のベスト10で1位だったのは86年のショーン・ペン、2位は96年のトミー・リー(モトリー・クルー)、3位は03年のクリス・マーチン(コールドプレイ)となっている。

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