先日、昨年の北米コンサート興行収入ランキングが発表され、約20年ぶりに再結成を果たした英ロックバンド、ポリスが1億3190万ドル（約140億）で1位を獲得した。2位の米カントリー歌手ケニー・チェズニー（7110万ドル）に倍近い差をつけての圧勝で、世界ツアー興行収入でも2億1200万ドル（約225億円）でトップとなっている。あらためて、大物ミュージシャンのライブは儲かるということを実感したのだ。レッド・ツェッペリンの世界ツアーが実現したら、いったいどれほどになるのか……。

こうした中で、米経済誌フォーブスが「過去1年で最も稼いだ女性歌手20人（The 20 women on Forbes' Cash Queens list）」を発表した。1位は、7200万ドル（約76億円）を稼いだマドンナ。2位のベテラン歌手バーブラ・ストライサンドに約12億円の差をつけての圧倒的トップだったのだ。

「コンフェッションズ・ツアー」を13年ぶりとなった来日公演（2006年9月）で終了したため前出のランキングには入らなかったけれど、今回対象となっている期間は06年6月〜07年6月。当時47歳とは思えないほど見事なスタイルをジャケットで披露した『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』（05年リリース）がアルバムチャート1位獲得国数（40カ国）で世界新記録を樹立し、ツアーは2億6000万ドルの興行収入を挙げた。06年の興収ランキングではローリング・ストーンズ（4億2500万ドル）に敗れて2位だったものの、女性ミュージシャンとして史上最高額を記録している。

昨年はこのツアーの模様を収めたDVDや新曲「ヘイ・ユー」、絵本などを発表しているけれど、やはりライブの収入は絶対的なもの。レコード会社に見切りをつけて、コンサートプロモーターのライブ・ネイションと異例の契約をしたのもうなずけるのだ。

3位は、3月に9年ぶりの来日公演を予定しているセリーヌ・ディオンが4500万ドル（約47億円）でランクイン。世界ツアーは対象期間中に行っていなかったものの、米ラスベガスで03年から実施していた長期公演「A NEW DAY」での収入が大きかった模様。昨年の興行収入ランキングでは4位となっており、世界ツアーを行う08年は興収、年収ともにさらにアップしそうなのだ。

4位は世界で111公演を行い、ビヨンセとの「Beautiful Liar〜華麗なる反撃」が話題になったシャキーラ（3800万ドル）、先日ジェイ・Zと“地味婚”を挙げたそのビヨンセも2700万ドルで5位となり、6位は2600万ドルのグウェン・ステファニー、7位は2000万ドルのクリスティーナ・アギレラと、比較的若手の名前が続いた。彼女たちについてフォーブス誌は、CM契約が大きく影響したと分析している。

また、夫のティム・マッグロウと2人で昨年の興行収入ランキングで6位に入ったフェイス・ヒル（1900万ドル）が8位、昨年のグラミー賞を総ナメにしたディクシー・チックス（1800万ドル）が9位、マルティナ・マクブライド（1200万ドル）が11位、そのマルティナ・マクブライドを尊敬しているキャリー・アンダーウッド（700万ドル）が15位と、カントリーミュージシャンが多くランクインしている。

このほか、マライア・キャリーが1300万ドルで10位、アヴリル・ラヴィーンが1200万ドルで12位、ブリトニー・スピアーズが800万ドルで14位、ファーギー、ジェニファー・ロペス、シェリル・クロウが600万ドルで17位、ノラ・ジョーンズが550万ドルで20位だった。


☆過去1年で最も稼いだ女性歌手20人（米フォーブス誌調べ）

1位　マドンナ（7200万ドル）
2位　バーブラ・ストライサンド（6000万ドル）
3位　セリーヌ・ディオン（4500万ドル）
4位　シャキーラ（3800万ドル）
5位　ビヨンセ（2700万ドル）
6位　グウェン・ステファニー（2600万ドル）
7位　クリスティーナ・アギレラ（2000万ドル）
8位　フェイス・ヒル（1900万ドル）
9位　ディクシー・チックス（1800万ドル）
10位　マライア・キャリー（1300万ドル）
11位　ヒラリー・ダフ（1200万ドル）
11位　アヴリル・ラヴィーン（1200万ドル）
11位　マルティナ・マクブライド（1200万ドル）
14位　ブリトニー・スピアーズ（800万ドル）
15位　キャリー・アンダー・ウッド（700万ドル）
15位　ネリー・ファータド（700万ドル）
17位　ファーギー（600万ドル）
17位　ジェニファー・ロペス（600万ドル）
17位　シェリル・クロウ（600万ドル）
20位　ノラ・ジョーンズ（550万ドル）