次世代DVD競争に終止符? 「HD DVD」陣営から20社離脱と報道。

2008/01/09 23:38 Written by コジマ

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熾烈な戦いが続く次世代DVD規格のシェア競争。ソニーや松下電器産業などが推進する「ブルーレイディスク(BD)」と、東芝などが推進する「HD DVD」が争っているのだけど、昨年末には米芸能誌ハリウッド・リポーターが両フォーマットで発売されている映画「300/スリーハンドレッド」のシェアでBD(66%)がHD DVD(34%)を上回っていること、米大手レンタルチェーンの調査で顧客の7割がBDを好んだことなどから、BD陣営の圧勝を予想したのだ。

この次世代DVD競争の中で最重要となっているのが、DVDを販売する米映画会社の取り込み。HD DVD陣営は、約173億円もの宣伝推奨金を使ってワーナーブラザースやニューラインシネマ、ニュニバーサル・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズの支持を取り付けていた。4社の米国内DVD販売シェアは合計44.6%となっており、大きな“援軍”となっていたのだ。

ところが、1月4日に米市場で約20%のシェアを持つワーナーブラザースがHD DVD規格のDVDソフト販売から撤退し、BD規格のソフトのみを販売すると発表。これによってBD陣営を支持する映画会社のシェアは70%にのぼることになった。この影響から、HD DVD陣営の旗頭である東芝が米国の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で予定していた記者会見を中止したのだ。

この時点ではまだ、東芝米国法人の小坂明生社長は「新世代はHD-DVDがベストだと信じており、負けたとは思っていない」(日本経済新聞より)としていたのだけど、8日には、英紙フィナンシャル・タイムズがパラマウント・ピクチャーズもBDを単独採用することを報じ、HD DVD支持を表明していた米マイクロソフトの「Xbox」部門が、CESでBD規格を支持する可能性があることを発表した。

さらに同日、HD DVD陣営に参加している130社のうち20社が離脱する準備を進めていると英紙タイムズが報じたのだ。この中にはパラマウント・ピクチャーズだけでなく、ポニーキャニオンも含まれているのだとか。同紙は野村證券の「次世代DVD競争が最終段階に入った」や、東京で活動するアナリストの「HD DVD陣営にとって致命的」というコメントを掲載している。

上記のように年明けとともにHD DVD陣営にとって最悪なニュースが続いているけど、この状況はたとえ任天堂を取り込んでも打開できないかも。いずれにせよ、消費者にとっては早くどちらかの規格に統一してほしいというのが本音ではないだろうか。2008年早々にも次世代DVD競争が決着するか、注目なのだ。

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