就寝前のメールチェックは不眠のもと、エスプレッソ2杯分に相当。

2007/12/30 19:46 Written by コジマ

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成人の21.4%が訴えているという不眠症。2003年に発売したOTC薬(薬局で買える薬)の睡眠改善薬「ドリエル」がバカ売れしたことからも、多くの人がこの症状に悩んでいることが分かるのだ。一部の研究では、「疑い」も含めると成人の約半数が該当するという結果も出ているのだとか。また、中高生を対象とした調査では成人を上回る23.5%であることが明らかになり、特になかなか寝付けない「入眠障害」は成人よりも6.5ポイントも高かったのだそう。

こうして、不眠症は大人も子供も巻き込んだ国民病となりつつあるのだけど、その原因としては環境や心理的、生理的、精神疾患などさまざまものが挙げられている。その1つとして注目されているのが、就寝前のテレビやパソコン、ゲームの利用。画面の光が見ている人を興奮させるため、寝付きが悪くなるとされている。大阪大が行った調査によると、テレビやネットを3時間以上利用する人の約半数が寝不足を訴えていたのだ。

その覚醒効果はパソコンだけでなく、携帯電話やPDAを利用しても起きてしまうということが、英エディンバラ睡眠センターの研究によって明らかになった。この研究は、ホテルチェーンのクラウン・プラザに依頼され、同センターのクリス・イジコフスキ博士が行ったもの。同博士は、電子機器の光が眠りを助長するホルモン「メラトニン」の分泌をやめるよう脳に信号を送るため、「就寝1時間前のメールチェックは睡眠を妨げる」と結論している。その効果は、エスプレッソ2杯分に相当するのだそう。

「メールチェック」としているのは1つの例で、当然ながらネットの利用や文章を読むことなども同じ。ぼくはなかなか寝付けないとき、眠くなるまで布団の中で携帯電話ゲームをしていることもしばしばで、うすうす感づいてはいたものの、逆効果だったことが証明されたのだ。また、中高生ではメールの返信が遅いと相手から非難されることが多く、これがストレスになって不眠につながっているという意見もある。今回の身体的な不眠効果と合わせて、中高生の不眠症はさらに増加していきそう。

イジコフスキ博士は、安眠と不眠の要因として次の点を挙げている。安眠要因を1つでも多く、そして不眠要因を1つでも減らして、快適な眠りを手に入れたいのだ。

【安眠要因】
・静か
・真っ暗
・涼しい
・清潔で快適なベッド
・昼間の運動

【不眠要因】
・就寝1時間前の電子機器使用
・深夜の食事
・テレビ視聴
・カフェイン摂取
・アルコール摂取

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