10月からスタートした各局の「秋ドラマ」、皆さんはしっかりと見たなりか？　視聴者の「ドラマ離れ」が叫ばれる昨今、今クールも序盤から苦戦を強いられる作品が多く、全体的には低空飛行のまま幕を閉じたという印象なりよ。特にTBSの惨敗ぶりは目を覆いたくなるほどで、放送した4作品がすべて平均10％以下、3作品はひと桁台と、TBSの井上弘社長に「今クールは早く終わってくれないかなと思っている。視聴率表を見るのが憂鬱」（12月5日定例会見より）と言わせるほどの酷さだったなりね。

そんな「秋ドラマ」も、21日放送の「歌姫」（TBS系）が最終回を迎え、来年1月末まで放送される「SP」（フジテレビ系）を除いてすべてのドラマの放送が終了。一応、「秋ドラマ」の視聴率が出揃ったなりね。どのような結果となったのか、まずは「秋ドラマ」の視聴率ランキングをまとめておくなり。

◎2007年 秋ドラマ 視聴率ランキング（ビデオリサーチ調べ、平均値）
21.9％　月曜21時「ガリレオ」（フジテレビ系）
16.7％　木曜22時「医龍 Team Medical Dragon2」（フジテレビ系）
12.8％　木曜20時「京都地検の女」（テレビ朝日系）
12.6％　火曜22時「有閑倶楽部」（日本テレビ系）
12.4％　火曜21時「暴れん坊ママ」（フジテレビ系）
12.0％　水曜22時「働きマン」（日本テレビ系）
10.5％　月曜20時「浅草ふくまる旅館」（TBS系）
10.3％　土曜21時「ドリーム☆アゲイン」（日本テレビ系）
10.2％　金曜23時「モップガール」（テレビ朝日系）
_9.1％　木曜22時「ジョシデカ！−女子刑事−」（TBS系）
_9.0％　木曜21時「おいしいごはん 鎌倉・春日井米店」（テレビ朝日系）
_8.6％　金曜21時「オトコの子育て」（テレビ朝日系）
_8.3％　火曜22時「スワンの馬鹿！〜こづかい3万円の恋〜」（フジテレビ系）
_8.2％　木曜21時「ハタチの恋人」（TBS系）
_7.9％　金曜22時「歌姫」（TBS系）
※「SP」は第7回まで放送済みで平均15.3％（全体の3位）。

「秋ドラマ」の視聴率争いを制したのは、初回24.7％からずっと高視聴率をキープした「ガリレオ」だったなり。ほかの作品と比べれば一目瞭然、「秋ドラマ」ではダントツの視聴率を獲っていたなりよ。東野圭吾の原作人気はもちろん、福山雅治と柴咲コウのツートップも強力、さらには唐沢寿明、広末涼子、香取慎吾、水野美紀、大後寿々花、堀北真希、深田恭子、釈由美子、本上まなみなど、毎回登場する豪華なゲスト陣も視聴率を押し上げる要素だったなり。1話完結のスタイルなので全体的には最後まで中だるみなく回を重ねて行ったなりが、最終回に登場した「東京の半分を消滅させる威力を持つ装置」があまりに安っぽく、70〜80年代の特撮モノのような雰囲気に、ネットでは失笑も飛び出していたなりね。また、最終回のゲストとして本来役者ではない久米宏が起用されたことに疑問の声が噴出していたことも付け加えておくなり。

2位は「医龍 Team Medical Dragon2」。フジテレビがワンツーを決めたなり。「医療モノ」「マンガ原作」「前作も好結果」と、ヒットする要因が3つも揃っていた作品なので、視聴率を獲ることは放送前から決まっていたようなものなりが、前作の平均14.8％よりも良い数字を残しただけに、さらなる続編も期待できそうなりよ。ただ、出演者が豪華すぎたせいで、一人一人の描写が薄くなってしまっていたのは少しもったいない印象だったなり。

期待を裏切った……という意味では3位以下の作品はすべて当てはまってしまうなりが、中でも原作人気の高い「有閑倶楽部」や「働きマン」が12％程度しか獲れなかったのは、制作力に問題があったと言わざるを得ない結果なりよ。そういう意味では、原作に依存せず、5位の視聴率を獲った「暴れん坊ママ」は評価しても良いのかも。上戸彩には「視聴率を獲らないのにドラマに出続けている女優」という不名誉なレッテルが貼られることも少なくないなりが、「秋ドラマ」全体の順位だけで言えば悪い結果ではなかったなりね。

ちなみに、「SP」は来年1月末までの放送なので、今回のランキングからは除外しているなり。ここまで23時台の深夜ドラマとしては異例の平均15.3％の高視聴率を記録しており、「隠れ1位」と評価する声も多いなりよ。フジテレビにとっては、今年から新設した土曜23時台のドラマ枠からヒット作が誕生し、「土曜23時はドラマを見る」というスタイルを視聴者に定着させられたのは大きいなりね。

皆さんは2007年の「秋ドラマ」、どの作品が心に残ったなりか？