5年後の世界はこんなに便利? 米IBMの技術革新予測発表。

2007/12/18 21:38 Written by コジマ

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21世紀を迎えたけれど、子供の頃に描いていていたほどの劇的な変化を遂げていないことにガッカリしている人も多いのでは? しかし振り返ってみると、携帯電話やインターネットの発達、駅の自動改札やICカード、内視鏡手術や遠隔診断など、20年以上前には全くなかった技術を当たり前のように享受していることに気づくのだ。こうした技術が今後はどのように発達していくのか、米IBMがこれからの5年間に起こるであろう5つの技術革新を予測した「IBM Next 5 in 5」を発表した。

「IBM Next 5 in 5」は、全世界のIBM研究所による新技術と市場や社会のトレンドやニーズをもとに、今後5年間の技術革新を展望したもの。昨年にも発表されているので、それを見てみると、

・遠隔管理によって入院や場所による医療格差が減少
・リアルタイム音声翻訳の普及
・インターネット3次元時代の到来
・水質改善や太陽熱発電システムの発達による環境改善
・ユーザーの好みを学習する携帯電話の登場

どれも現段階で発達の兆しを見せているものばかりなので、5年後ではなくとも近い未来に実現しそうなのだ。

さて、第2弾となる今回は環境、交通、食生活、携帯電話、医療について、5年後の発展を予測。環境では、水力、風力、太陽光の各発電やバイオ燃料を消費者が自由に選択でき、外出先からの家電の電源管理も可能となるため、個人レベルでの二酸化炭素排出量の管理が簡単になるとしている。最近では「京都議定書を遵守しても温暖化は防げない」という意見も出てきているので、個人による二酸化炭素排出量管理はさらに重要度が高まってきそうなのだ。

交通では、その二酸化炭素排出量とも深く関係している自動車の渋滞が、自動車同士などよる情報交換や、信号機が混雑状況を判断して最適に調節する「インテリジェント・トラフィック・システム」によって解消するとしている。渋滞情報の共有は現在のカーナビでも行われており、「インテリジェント・トラフィック・システム」もスウェーデンのストックホルムで実用化されているのだそう。東京では首都高速などの迂回路も完成しており、交通に関しては明るい未来が期待できるかも。また、トヨタがレクサスブランドの旗艦車種に衝突回避システムを搭載するなど、安全面も向上しそうなのだ。

続いて、日本で偽装問題が相次ぎ消費者の危機意識が向上した食生活については、食材の生産過程や輸送過程がこれまでより詳細に調べることが可能になるとしている。こうした追跡システムの発達は大歓迎だけど、さらに安心できる食生活を送るには、飲食店などの詳細な食材情報開示が必要かもしれない。

携帯電話については、前回の展望からさらに発展。端末がユーザーの好みを学習し、現地のグルメスポットやエンターテイメント情報などを自動的に取得するほか、例えば、たまたま入ったレストランで好みの家具を見つけた場合、端末で撮影した画像からネットで検索して購入することが可能になるとしている。いずれにせよ、携帯電話の重要性はますます高まっていきそうなのだ。

最後は、医療について。現在、各病院で進んでいるカルテの電子化から一歩進み、医療情報を総合した患者のアバターが作成され、医師はあらゆる患者情報を総括的に把握できるようになるのではないかと予測している。誤診や医療事故の問題が叫ばれて久しいけれど、この患者アバターがこうした問題を解決する一手になるかもしれない。

今回もあっと驚くよりも現実的なものが並んだが、こうした一歩一歩の技術革新が理想的な未来につながっていくのではないだろうか。2012年はどんな世の中になるのか、この予測の実現を楽しみにしながら待ちたいのだ。

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