薮田安彦投手がヒルマン監督のロイヤルズと契約、2年600万ドル。

2007/11/29 15:40 Written by コジマ

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広島の新井貴浩内野手が阪神へ、ヤクルトの石井一久投手が西武へと、フリーエージェント(FA)宣言した選手たちが次々と来季の進路を決めている。また、今季も多くのFA選手が米大リーグへの移籍を希望しており、その1人である広島の黒田博樹投手に対して、アリゾナ・ダイヤモンドバックスが1年当たり1000万ドル(約10億9000万円)を提示したのだとか。単純比較はできないけれど、これは6年5200万ドルで契約したボストン・レッドソックスの松坂大輔投手を超える金額なのだ。中日の福留孝介外野手に対しても、4年総額3000万ドル(約33億円)を提示している球団が出ているのだそう。

こうした中、ロッテの中継ぎエースである薮田安彦投手が基本合意に達していたカンザスシティ・ロイヤルズと正式に契約し、チームメイトだった小林雅英投手に続いて今オフ2人目の日本人メジャーリーガーとなった。契約金は2年総額で600万ドル(約6億6000万円)。3年目は球団が契約更新の選択権を持っているのだけど、2年間で115試合以上もしくは2年目に60試合以上登板すると、この選択権が薮田投手に移るそうなのだ。

2004年に中継ぎへ転向した薮田投手はその才能を開花させ、昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本の優勝に貢献。今季は38ホールドで自身初のタイトルとなる最優秀中継ぎ投手を受賞したのだ。そのことが評価され、FA宣言後は「第2の岡島(秀樹投手、レッドソックス)」としてロイヤルズをはじめメジャー5球団が獲得を表明していたのだ。

マック鈴木投手(現自由契約)も所属していたロイヤルズは、ア・リーグ中地区で4年連続の最下位。この状況を打破するために、前日本ハム監督のトレイ・ヒルマン氏を新監督に迎え、黒田投手の獲得に名乗りを上げるなど、チーム体制の強化に本腰を入れてきている。こうしたことから、薮田投手への期待も必然的に高まっており、デイトン・ムーアGMも「薮田は救援陣に安定感をもたらしてくれる、非常に重要な投手になってくれるだろう」(日刊スポーツより)と喜びをにじませているのだ。ただ、前評判が高かった割には、契約金は小林雅投手の2年625万ドル(約6億8700万円)を下回ってしまったのだけど。

これでロッテを支えてきた「YFK」(薮田投手、小林雅投手、藤田宗一投手)は解散となってしまったのだけど、薮田投手は「今の自分があるのはバレンタイン監督と千葉ロッテのおかげ、そしてファンのおかげだと思う。今までの12年間培ってきたことを忘れずに、アメリカで精いっぱい頑張る」(時事通信より)と語っており、ボビー・バレンタイン監督も「薮田は今のような素晴らしい投手になるまで、たゆまぬ努力を払ってきた。アメリカで高い評価を受けるに値する選手と確信している。あらゆる幸運が彼に訪れることを願っている」と送り出している。

ロッテファンにとっては残念なことになってしまったけど、奇しくも薮田投手のロイヤルズと小林雅投手のインディアンスは同じア・リーグ中地区所属のチーム。来季は、2人が投げ合う場面が多く見られるかもしれないのだ。


☆今オフにFA宣言した選手の動向

福留孝介(中日) 複数のメジャー球団からオファー
下柳剛(阪神) メジャー挑戦を示唆(基本は残留)
黒田博樹(広島) 複数のメジャー球団からオファー
新井貴浩(広島) 阪神へ移籍
石井一久(ヤクルト) 西武へ移籍
小林雅英(ロッテ) インディアンスと契約
薮田安彦(ロッテ) ロイヤルズと契約
福盛和男(楽天) 複数のメジャー球団からオファー
和田一浩(西武) 中日に移籍か

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