米国の赤ちゃん放棄事件、捕まった女性と新生児の意外な関係。

2007/11/28 13:54 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


熊本県熊本市の慈恵病院で、今年5月から設置された「赤ちゃんポスト」。親の育児放棄を助長することになるのではないか? いや、新生児の死亡や殺害を予防できる……、など賛否両論の出来事だったそうですね。米国でも47の州で病院や消防署など「Safe Haven(安全な天国)」と呼ばれる場所に、親が匿名で新生児を放棄することを合法で認めてます。

ただしこれは出産後72時間以内の赤ちゃんに限ることだとか。生まれた時点ですでに養育が不可能というのならOKだけど、ちょっと育ててみて「やっぱりやめた」というのはダメだそうです。そりゃそうですよねぇ。

さて、ペンシルバニアで先日とある民家の家の前に、ある日生まれたての新生児が置き去りにされました。買ったばかりらしい洋服と毛布で体を包まれていたそうです。警察が情報収集のためにこの衣類等を公開し、その後これらが「ターゲット」というアメリカの百貨店にて売られていたことが判りました。最寄のお店を調べてみると赤ちゃんが置き去りにされた日に、確かにこの2品を一緒に買っている人が、クレジット・カードの記録から判明したのです。

この人物がもしかしたら事件にかかわっているかもしれないと、警察が捕まえたのが35歳になる女性。彼女は犯行をすんなり認めたそうですが、今回の出来事にはちょっとした「どんでん返し」が……。この女性、確かに赤ちゃんと血縁関係にあったのですが、実は彼女は赤ちゃんの「母親」ならぬ「祖母」。そう、おばあちゃんなのでした。35歳で孫、ウォール真木より年下で祖母だったのです。うわぁ……(汗)。

なんでもこの容疑者がある日家に帰ると、なんと17歳の娘が出産していたというのです。17歳の娘さん、ずっと妊娠を黙っていたそうで(どうやって!?)、容疑者もビックリ。しかしどうしても育てられないと、彼女たちは育児放棄をすることにしました。

さて、ここで先ほどの「Safe Haven」の法律。祖母が民家ではなく、病院で放棄をしていれば、彼女が罰せられることもなく、さらに赤ちゃんのほうも28日間の医療施設での生活が確保されていました。万が一親が心を入れ替え、それが28日以内ならまた合法に赤ちゃんを自分の下で世話することも可能です。

だけど場所を間違えた祖母は、その行いが犯罪となり、今回きっちり逮捕されるハメに。いや、罰せられるのは当たり前なのですが、やっぱり赤ちゃんの安全を守るとしたら病院に連れて行くのが一番妥当だったハズです……。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.