相次ぐ事故にエスカレーター内歩行禁止を呼びかけ、浸透なるか。

2007/11/26 22:46 Written by コジマ

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首都圏の駅でエスカレーターに乗っていると、立ち止まっている人はびっしりと左に並び、空いた右側を急いでいる人が駆け上がっていく様子が見られる。ぼくもこうした利用をしている1人だったのだけど、昨年にフジテレビ系「トリビアの泉」でこれが間違いであることを知って以来、気をつけるようにしているのだ。

今年はJR川崎駅で女性のサンダルが挟まって足の指が切断されたり、平塚市の男児がスーパーで手すりと保護板の間に首を挟まれたりなど、神奈川県内でエスカレーターに関する事故が相次いでいる。両方とも一方に寄ることで起こった事故ではないけれど、エスカレーターの危険性が注目されたことから、横浜市営地下鉄ではこの秋から「エスカレーターではあるかないでください」というポスターを掲示するようになったのだ。

なぜエスカレーター内で歩行してはいけないのか。「ウィキペディア」によると、「本来エスカレーターでの安全基準は、ステップ上に立ち止まって利用することを前提とされているため、エスカレーター上での歩行はその振動によってエスカレーターの安全装置が働き、緊急停止することがある。さらに、片側空けは荷重バランスを長時間に亘って崩し、エスカレーターに予期せぬ不具合を生じさせる事にもつながる。 こうしたエスカレーター自体への不具合に加え、腕の骨折などの要因により、片側の手すりにしかつかまる事のできない人への配慮、また歩行者によってバランスを崩した人が転倒し、それによって将棋倒し事故を招くなど、利用者に対しての危険性も極めて高い」とされており、「トリビアの泉」でも専門家が同様の説明をしていた。つまり、エスカレーターの構造は利用者が歩くことを想定していないそうなのだ。

実際に、JR川崎駅の地下街「アゼリア」では将棋倒し事故が起こったことがある。このことから「アゼリア」では早くからこの禁止を呼びかけていたのだけど、上下2本あるエスカレーターはいまでも左側に寄っているのだとか。また、同様の注意を呼びかけている名古屋市営地下鉄や東京都内の地下鉄やJR線でも状況は変わらないみたい。

もともとエスカレーターの一方を空けるのは海外の慣習だったもので、ロンドンなど積極的に呼びかけているところもあるのだそう。日本でもこれが常識化して、関東で右、関西で左を空けるなどの違いはあるものの、一方を空けない人に対して「非常識」と捉えている人も少なくないようなのだ。

急いでいる人にとって一方が空いているのはうれしいことだし、狭い地下鉄などでは降りる人が多すぎて階段が使えない状況の駅もある。こうした現状を変えるのはなかなか難しいことだけど、毎日新聞が言及しているように車内での携帯電話の使用が改善した例もあるし、また、路上喫煙の意識が変わった例もある。呼びかけやキャンペーンで利用者に浸透させていけば、いつしか歩行することが「非常識」に変わっていくのかも。ぼくもいっそう、気をつけないと。

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