ロッテの小林雅英投手がメジャー移籍、インディアンスと2年契約。

2007/11/21 19:38 Written by コジマ

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移籍1年目でワールドシリーズを制したボストン・レッドソックスの松坂大輔、岡島秀樹両投手をはじめ、オールスターでMVPを獲得したシアトル・マリナーズのイチロー外野手など、今季も多くの日本人メジャーリーガーが大活躍した今季、オフに入ってフリーエージェント(FA)権を獲得したプロ野球選手たちも続々と米大リーグへの移籍を表明している。

その中で、チームメイトの薮田安彦投手とともにメジャー移籍を目指していた「幕張の防波堤」ことロッテの小林雅英投手が、クリーブランド・インディアンスと2年契約を結び、今オフの日本人メジャーリーガー第1号となったのだ。契約金は2年625万ドル(約6億8750万円)で、オプションとなる3年目の契約(325万ドル)は球団が選択権を持つのだそう。背番号はロッテと同じ30となっている。

2軍落ちまで経験した小林雅選手は今季、例年以上に安定感のない投球がファンの間でも不評となるなど苦しいシーズンとなった。そのことが影響したのか、移籍濃厚なカンザスシティ・ロイヤルズをはじめ5球団からオファーが来ていた薮田選手に比べ、なかなか具体的な球団名が挙がってこなかったのだ。そのため、移籍球団が決定するのに年を越す可能性も指摘されていた。

ところが一転、誰よりも早い移籍決定になった。今季、ア・リーグ中地区で優勝し、プレーオフでもニューヨーク・ヤンキースを破って地区シリーズを制覇したインディアンスだけど、リーグ優勝決定シリーズでレッドソックスとの激戦の末に敗退。45セーブの守護神、ジョー・ボロースキ投手がいるものの、岡島投手の活躍を目の当たりにした首脳陣は中継ぎの充実を今オフの課題としていた。そこで、通算227セーブの実績を誇る小林雅選手に白羽の矢が立ったようなのだ。インディアンスのマーク・シャピロGMは「小林は日本の高レベルの大舞台で活躍しており貴重な加入戦力となる」(夕刊フジより)と期待を寄せている。

小林雅選手は「素晴らしいチームと契約することができて、非常にうれしく興奮しています」(サンケイスポーツより)と喜びを語るとともに、「これまで9年間、支えてくれたマリーンズの関係者、ファンの皆さまに感謝しています。ロッテでストッパーをやらせてもらっていたという誇りを忘れずに、メジャーのマウンドで頑張りたいと思います」(同)と来季からの活躍を決意しているのだ。

大リーグ公式サイトでは、「Tribe lands Japan's Kobayashi」(「tribe」はインディアンスの愛称)という見出しで小林雅選手の移籍を報じている。小林雅選手が「ぼくはジャイロボールは投げませんよ」と会見で語って周囲に笑いをもたらしたことや、スライダーが武器であること、タフであることに加えて、「(フードファイターの)小林尊と混同しないでほしい」と伝えているのだ。

インディアンスに唯一在籍した日本人選手である多田野数人投手が日本球界入りしそうな年に、小林雅選手がインディアンス入り。なんだか運命めいたものを感じてしまうのだけど、両選手ともに新たな舞台での活躍を期待したいのだ。それにしても、シャピロGMは「小林との契約はインディアンスにとって初めての日本人選手との契約となる」(夕刊フジより)と語ったのだそうだけど、多田野選手のことを忘れてしまったのかなあ。

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