ネットの普及や娯楽の多様化により、いわゆる「テレビ離れ」が叫ばれて久しい昨今。昔に比べれば番組の視聴率は獲りづらくなり、それに伴って広告の価値や出稿量が減少するなど、テレビの収益構造が崩れようとしているなりよ。でも、その流れと逆行するように地上波、BSデジタル、CS、ワンセグとチャンネル数だけは増え続け、テレビ局の番組制作費は高騰、経営を逼迫し始めているなりね。

そうした中、新たな収益源の確保に向けて各局ともさまざまな施策を検討しているなりが、フジテレビがひょっとすると大きな収益の柱になるかもしれない、新しい試みを始めるなりよ。それは人気番組をネットで配信するというもの。テレビ局がネットで動画配信サービスを手がけるのは決して珍しいことではないなりが、ネット向けに新たに制作された動画や、深夜番組がほとんどなのが現状。権利関係が複雑なため、地上波の番組をそのままネットで流すことが難しいのは理解できるところなりが、純粋に「ネットでも見られたら良いのに」という視聴者の不満はどうしてもくすぶってしまうなりよね。

その不満はYouTubeやニコニコ動画といった動画共有サイト、もしくはファイル交換ソフトへと向かい、ネットが違法動画の温床のような状況になってしまっているのは、各種報道で知られているところ。テレビ局側もアップロードされている番組動画を見つければ削除要請を出すなどの対応を取ってはいるなりが、削除した横からまたアップロードされるといったいたちごっこが続いているため、実効性のある対策がなかなか取れずにいるなり。そこで、この状況に一石を投じ、かつ新たな収益源の確保に繋がるかもしれない施策として、フジテレビがいよいよ公式に人気番組をネット配信することになったなりね。

第1弾としてネット配信が始まるのは、フジテレビのバラエティ番組の中でも上位の視聴率を記録し続けている恋愛バラエティ「あいのり」。フジテレビがすでにサービスを提供しているネット向けの動画配信サービス「フジテレビ・オン・デマンド」の1メニューとして、12月3日から配信を始めるなりよ。放送の形態は、毎週地上波の放送回が終了した直後に「フジテレビ・オン・デマンド」での配信もスタート。配信期間は28日間で、月額見放題コースなら525円（税込み）で、1話ずつの購入なら315円（同）で視聴することができるなりね。

テレビ局にとってはネットの有料コンテンツ会員が増えるだけでなく、見逃した視聴者の「番組離れ」を防ぐこともできそう。特に「あいのり」のような連続して見続けていないと話が分からなくなるような番組の場合、視聴者にとってもこうした「保険」があるのとないのとでは、安心感が全く異なるなりよね。実はコ○助は何度か放送を見逃して「あいのり」を見なくなってしまった経験を持つだけに、もっと前からやっていてくれれば……と、少し悔しい思いをしているなりよ（笑）。

「あいのり」は今田耕司、ウエンツ瑛士、久本雅美の3人以外の出演者はすべて素人なので、権利関係の処理もスムーズだったのだと推測されるなりが、この仕組み自体はもっとほかの番組にも広げて欲しいところ。ドラマやほかのバラエティ番組なども、ネットで「見たい時に見られる」という環境が一日も早く整うことを願うばかりなり。