「来季はDHと左翼」ヤンキースの松井秀喜外野手が控え要員に。

2007/11/10 00:48 Written by コジマ

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日本を代表する長距離砲として、2003年に巨人からメジャー移籍したニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜外野手。5シーズン目の今季は、5月に日米通算2000本安打を記録して名球会入りしたのだけど、右ひざの故障から打率.285、25本塁打、103打点と、主軸としては物足りない成績にとどまっている。ひざの手術は来週にもニューヨーク市内で受けるようだけど、来季は痛みから解放されて万全の状態で活躍してくれることを期待したいのだ。

しかし、松井選手が守る外野にはライバルが多いこと、慕っていたジョー・トーリ監督が今季限りで退任したこと、年俸が高額であることなどから、来季の行方が不透明になってきていた。松井選手は全球団に対するトレード拒否権を持っているため、米各紙でささやかれていたトレードの可能性はないものの、守備力の面でレギュラーとなれるかどうかが焦点となっているのだ。

こうした中で、ヤンキースの首脳陣が来季の松井選手は左翼手ではなく、指名打者(DH)としての起用することを発表したのだ。来季のヤンキース外野陣は、右翼がボビー・アブレイユ外野手、中堅にメルキー・カブレラ外野手が確定しており、左翼は松井選手とジョニー・デーモン外野手が争うとされていた。

そのデーモン選手は、フリーエージェント(FA)となったアレックス・ロドリゲス内野手の穴を埋めるため、シカゴ・ホワイトソックスのジョー・クリーディ内野手とトレードされる可能性が報じられていた。もしデーモン選手がトレードとなれば松井選手のレギュラーは確実だったのだけど、ブライアン・キャッシュマンGMとジョー・ジラルディ新監督がデーモン選手と会談した結果、キャッシュマンGMはトレードを否定。それどころか、「デーモンの攻撃力はウチにとって不可欠。毎日、左翼を守り、先頭打者として活躍する姿を見たい。08年開幕戦? 今、考えるとしたらデーモンがレフトだと思う」(日刊スポーツより)と、デーモン選手をレギュラーの左翼手として起用することを明言したのだ。

さらに、松井選手に関しては「マツイはDHか左翼。でも守備力を考えると、左翼はジョニーが多くなる」(スポーツ報知より)としている。ヤンキースのDHにはジェイソン・ジアンビ内野手がいるだけに、キャッシュマンGMの言葉どおりになるとしたら、来季の松井選手はベンチを温める機会が増えてしまうことになるのだ。

松井、デーモン、ジアンビの各選手の今季成績を見てみると、

松井 打率.285、25本塁打、103打点、出塁率.367、長打率.488
デーモン 打率.270、12本塁打、63打点、出塁率.351、長打率.396
ジアンビ 打率.236、14本塁打、39打点、出塁率.356、長打率.433

と、松井選手が突出していることが分かる。それでもデーモン選手を左翼に起用するのは、キャッシュマンGMが言うように、とにもかくにも守備の面なのだ。弱肩を補うほどの広い守備範囲を持つデーモン選手から左翼の位置を奪うのは、松井選手にとってかなり厳しいことなのかも。

ジアンビ選手は故障で長期離脱のあと調子が上がらなかったためにこの成績なのだけど、その不調が続けば松井選手の出番が増えるかもしれない。ロドリゲス選手が去る可能性があるヤンキースにとって、松井選手が3塁を守れれば最高なのだけど……。

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