舞台出身ならではの抜群の人物描写と軽妙なノリで、同じ舞台出身の三谷幸喜と並び、ドラマ愛好家から絶大な支持を得ているクドカンこと宮藤官九郎。「好きなドラマ」を問うた調査などでは常に上位にランクインする「池袋ウエストゲートパーク」や「木更津キャッツアイ」は言うに及ばず、「マンハッタンラブストーリー」や「タイガー＆ドラゴン」など、オリジナリティ溢れる脚本は見る者をグイグイと引き込む魅力があるなりよね。ただ、作品が個性的すぎるがゆえに、本放送時の視聴率はそれほど伸びず、後にDVD化されてからジワジワと一般的な評価が高まる……という、独特なパターンもクドカン作品の特徴なりよ。

そんな宮藤官九郎が手がける新作が、来年1月スタートの「冬ドラマ」として久しぶりに登場するなり。厳密には昨年も昼ドラマ「吾輩は主婦である」（TBS系）が放送されているので1年半ぶりなりが、通常「連ドラ」でくくられる夜放送の作品としては、2005年の「冬ドラマ」（1〜3月）で放送された「タイガー＆ドラゴン」以来、3年ぶりとなるなりよ。長らく新作を待ち望んでいたファンにとっては嬉しいニュースなりね。

新作のタイトルは「未来講師めぐる」（テレビ朝日系、金曜23時枠）。主演に深田恭子を迎え、「満腹になると周りの人の20年後を予見できるという、超能力を持った塾講師」（スポーツ報知より）を軸に展開される爆笑コメディーだというなり。深田恭子は人気がある割に、あまり視聴率を獲れない女優としても知られているなりが、それでもこの作品で12年連続連ドラ出演（1997〜2008年）となることが決定。現在25歳という年齢を考えれば、なかなかの快挙と言えそうなりよ。まあ、所属するホリプロの力と言ってしまえば、それまでなりが……。

放送時間帯が深夜であること、深田恭子がそれほど視聴率を獲れる女優ではないこと、そもそもクドカン作品は視聴率とは別次元で評価されることなどから、恐らくは「未来講師めぐる」もそこまで視聴率を獲ることはないと思うなりが、それが逆に宮藤官九郎ワールドに徹底させ、ファンにはたまらない作品になる可能性は十分なりよ。過去にクドカン作品にいハマった経験があるなら、ぜひチェックを。

☆現在までに判明している2008年「冬ドラマ！」
［記号の説明］◎…確定、○…ほぼ確定、△…噂アリ、×…ガセ
◎火曜21時「ハチミツとクローバー」（主演：成海璃子）フジテレビ系
◎木曜22時「鹿男あをによし」（主演：玉木宏）フジテレビ系
◎金曜23時「未来講師めぐる」（主演：深田恭子）テレビ朝日系
◎土曜21時「1ポンドの福音」（主演：亀梨和也）日本テレビ系
◎日曜20時「篤姫」（主演：宮崎あおい）NHK
◎日曜21時「佐々木夫妻の仁義なき戦い」（主演：稲垣吾郎）TBS系