中嶋Jr.がウィリアムズと正ドライバー契約、親子2代のF1フル参戦へ。

2007/11/07 23:26 Written by コジマ

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日本初のF1フル参戦ドライバーとして1987年にデビューした中嶋悟。同年の4位(ホンダエンジンの1〜4位独占)や雨天レースでの素晴らしい走りなど、その姿はいまもF1ファンの心に刻まれている。現在はフォーミュラ・ニッポンやSUPER GTなどで自身のチームの監督を務めている中嶋だけど、その息子の中嶋一貴選手が父と同じF1の舞台に立ったのが、今季最終戦のブラジルグランプリ(GP)。サーキットは違うものの、父のデビュー戦と同じ開催地だったので、ぼくらファンの感慨もひとしおだったのだ。

そのデビュー戦でピットクルーをはねてしまうというアクシデントを起こしながらも、出場した日本人選手の中で最高となる10位でフィニッシュした中嶋選手。しかし、身分はテストドライバー(ブラジルGPの出場もアレクサンダー・ブルツ選手の引退によって実現した)で、正ドライバーの契約は結んでいなかったのだ。来季はそのままウィリアムズとの契約されることが確実視されていたのだけど、ここで浮上したのが、元王者フェルナンド・アロンソ選手の移籍説。もしアロンソ選手がウィリアムズに移籍すれば、中嶋選手と契約を結ばない可能性も出ていた。

しかし、ウィリアムズは11月7日に、中嶋選手と正ドライバーの契約を結ぶことを発表したのだ。中嶋選手は今季、ウィリアムズのテストドライバーを務めると同時にF1の登竜門であるGP2に参戦したばかり。そのため経験不足や「親の七光り」などが指摘されているのだけれど、GP2では新人賞を獲得し、10位に入ったF1ブラジルGPでも1周するタイムがチームメイトのニコ・ロズベルグ選手を上回るなど実力の片鱗を見せており、ぼくは来季楽しみなドライバーの1人だと思っているのだ。そうなると、佐藤琢磨選手や山本左近選手らの注目度が下がってしまうけど。

この契約に対して、中嶋選手は「夢がかなって本当にうれしい。来季が始まる前にやるべきことがたくさんあるが、必要なことはすべて行いたい」(時事通信より)と語っており、ウィリアムズのフランク・ウィリアムズ代表も「「2007年に鮮烈な印象を残す功績を残してくれたニコが3年連続でチームのためにレースしてくれることになって嬉しい。ニコのパートナーとなるカズキもこれまでチームにいい印象を残してくれている。彼にはコンペティティブなレースドライバーになるべきペースと資質が備わっている。彼の才能を発揮すべき必要なサポートはすべて行う」(レスポンスより)と、来季の活躍を期待しているのだ。

アロンソ選手の行方が気になるけれど、中嶋選手の正契約が決まってひと安心。日本人初の親子2代F1正式参戦に、来季はわくわくしてしまうのだ。そういえば、チームメイトとなるロズベルグ選手も二世ドライバー(父は元王者のケケ・ロズベルグ)で、元王者で中嶋悟のチームメイトでもあったネルソン・ピケの息子(ネルソン・ピケ・ジュニア選手)も来季F1デビューがささやかれている。

また、ナイジェル・マンセルの息子たち(グレッグ&レオ・マンセル選手)やアイルトン・セナの甥(ブルーノ・セナ選手)もF1参戦が期待されていて、マリオ・アンドレッティの孫でマイケル・アンドレッティの息子であるマルコ・アンドレッティ選手もインディで史上最年少優勝を果たしている。これまでジャック・ビルヌーヴ(ジル・ビルヌーヴの息子)やデーモン・ヒル(グラハム・ヒルの息子)などの二世ドライバーはいたけれど、今後は二世、三世のF1ドライバーが一気に増えそうなのだ。

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