国際競争力ランキングで日本が8位に転落、長引く財政赤字が影響。

2007/11/01 12:45 Written by コジマ

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「経済大国」を自任する日本にとって、経済的な競争力は重要なファクターとなっている。その中で注目されるのが、スイスの国際経営開発研究所(IMD)と「ダボス会議」で有名な世界経済フォーラムがそれぞれ毎年発表している国際競争力ランキング。2007年度版を5月に発表したIMD版では、日本は前回の16位から24位と大幅に順位を下げている。これは「政府の効率性に関する調査項目」で評価が低かったことが影響したためで、中国(15位)を下回るというショッキングな順位だったのだ。

IMD版発表から約半年、世界経済フォーラム版の今年度ランキングが発表された。このランキングは、131カ国・地域を対象にインフラ整備状況や市場規模、技術力、教育制度、マクロ経済の安定度など12項目を指数化し、世界経済フォーラム会員1万人以上へのアンケート結果と組み合わせて総合的な競争力を評価したもの。今年度のランキングを見る前に、新指標導入に伴った昨年度の修正ランキングのトップ10を見てみると、

1. 米国 (6)
2. 英国 (10)
3. デンマーク (4)
4. スイス (1)
5. 日本 (7)
6. フィンランド (2)
7. ドイツ (8)
8. シンガポール (5)
9. スウェーデン (3)
10. 香港 (14)

となっていた(カッコ内は修正前の順位)。米国が6位から1位、英国が10位から2位と大幅に順位を上げていることが注目され、日本も7位から5位に上がっている。

ところが今回のランキングでは、日本はシンガポールなどに抜かれ8位に下がってしまった。ビジネスの洗練性で3位、技術革新と市場規模で4位、インフラ整備状況で9位、労働市場効率で10位となかなかの評価を得ているのだけど、マクロ経済の安定度(97位)と金融市場の洗練性(36位)などが足を引っ張ったためとされている。長引く財政赤字の影響が示されているのだ。

また、高順位の項目も順位を下げており、日本の国際競争力が全体的に下がっている印象を受ける。詳細項目で物価安定が1位、預貨金利の格差で2位だったのだけど、11月1日からガソリン価格が1リットル当たり6円の値上げが行われ、食卓への影響も出始めていることから、これが長引けば次回はこの順位も下がってしまう可能性がありそうなのだ。ただ、マラリア対策やHIV対策など保健面では詳細4項目で1位となっている。

2位から9位と日本よりも大幅に順位を下げた英国は、日本とは逆に金融市場の洗練性が2位だったものの、国家貯蓄率(96位)や財政赤字(88位)などが足を引っ張る形となったのだ。


☆世界経済フォーラム 国際競争力ランキング トップ10

1. 米国
2. スイス
3. デンマーク
4. スウェーデン
5. ドイツ
6. フィンランド
7. シンガポール
8. 日本
9. 英国
10. オランダ

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