2014年サッカーW杯、ブラジルで64年ぶり開催も社会整備に難問。

2007/10/31 18:27 Written by コジマ

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アジアや南米などの予選が始まったサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。日本代表は来年2月に始まる3次予選から出場するのでまだまだ実感がわかないけれど、2010年の開催に向けて着々と進んでいるのだ。

こうした中で、2014年に開かれる次の大会の開催国が、唯一立候補していたブラジルに決定した。1950年以来となる16大会64年ぶり2度目の開催で、「本当に幸せだ。W杯を開催するのは大変な仕事で、大きな責任がわれわれの肩にのしかかっている」(サンケイスポーツより)と語るルラ・ブラジル大統領や「社会、経済両面に影響をもたらすW杯の開催は、わが国と国民にとってこの上ない喜びであり、歴史的偉業となろう」(時事通信より)とコメントするブラジルサッカー協会のリカルド・テイシェイラ会長の興奮から、国民の熱狂がうかがえるのだ。

国際サッカー連盟(FIFA)は00年にW杯を6大陸で順番に開催する持ち回り制を導入しており、14年大会の南米開催は03年に決定していた。それを受けて南米連盟はブラジルに候補を一本化したため、14年大会で唯一の立候補国となっていたのだ。一方、ブラジルはそれ以前から10年大会の誘致を目指して06年大会の立候補を辞退し、南アフリカを支持していたのだけど、06年大会はご存じとおりドイツに決定。今回、ようやっとその悲願がかなったのだ。

しかし、喜んでばかりもいられないもよう。開催国決定前にブラジルを視察したFIFAは開催にお墨付きを与えていたのだけど、約11億ドル(約1260億円)を投じて競技場の新・改築が急ピッチで進められているながらも、競技場の避難経路や駐車場などFIFAの基準を満たしていないのだとか。また、計300人が死亡する大きな飛行機事故が相次ぎ、10月17日にはリオ市西部のファベーラ・ダ・コレイアで4歳の男の子や警官、麻薬密売人ら12人が死亡する大銃撃戦が起きるなど、交通インフラや治安面での問題を抱えている。このことから、ブラジル招致団の1人は「今後は会場と予算が解決すべき大きな難問」と語っているのだけど、南アフリカ大会同様、選手や観客はちょっと不安なのだ。

一方、前回開催ではブラジル代表は最終戦(4チームのグループ戦で優勝が決定したため決勝は行われず)でウルグアイ代表敗れ、心臓発作や自殺で4人が死亡するという「マラカナンの悲劇」が起きている。14年大会では、そのジンクスを破ることができるのかにも注目なのだ。

このほかFIFAは、南アフリカ大会1次リーグの入場券をドイツ大会の8%から12%に増やすこと、11年女子サッカーW杯を2大会で連覇中のドイツで開催すること、開催国の持ち回り制を今回までで廃止することを決定した。このことから、中国やオーストラリア、米国、メキシコ、オランダ/ベルギー(共催)が18年大会の招致の動きをみせており、日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンもその意欲を示している。18年大会はアフリカと南米以外の大陸にチャンスがあるとのことで、日本開催の可能性も十分にあるのだ。

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