十両・把瑠都が六本木で通行人とトラブル、相撲協会が厳重注意へ。

2007/10/25 23:36 Written by コジマ

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朝青龍問題に続いて時津風部屋の集団暴行致死事件など、世間の批判にさらされている大相撲。せっかく2横綱時代が到来して盛り上がると思ったのに、相撲ファンとしては悲しい限りなのだ。しかし、暴行によって力士が死亡したことは紛れもない事実だし、これまでも若い力士の不審死は少なくない。それでも「かわいがり」を続けることを明言している親方もいて、その体質の改善が叫ばれているのだ。今年の名古屋場所での新弟子検査では史上初の「受検者ゼロ」を記録したこともあって、角界の存続自体が危ぶまれている。

こうして世間の厳しい目が大相撲に注がれる中、またしても力士による不祥事が判明した。エストニア出身の十両・把瑠都(尾上部屋)が、途中休場した名古屋場所直後の7月25日未明に東京・六本木で酒を飲み、路上ですれ違った男性にぶつかってケガをさせたというのだ。その際、外出の際に力士に義務付けられている着物を着用せず、Tシャツ、短パン姿のうえにマゲも結っていなかったことから、日本相撲協会は現在行われている秋巡業後に口頭で注意することとなった。

把瑠都は、2004年夏場所に初土俵を踏み、06年大阪場所には史上4人目となる十両全勝優勝を果たし、史上2位タイとなる12場所での新入幕を決めている。また、新入幕で敢闘賞を受賞(史上最短タイ)したほか、「三役揃踏」(史上2人目)や「これより三役」出場(史上最短)を行うなど、将来を嘱望された力士だった。しかし、東前頭筆頭まで進んだ昨年秋場所や今年初場所で左ひざを痛め、今年の夏場所では十両に陥落。そのケガのために十両優勝、再入幕、十両陥落を繰り返しているのだけど、次の九州場所では再入幕が確実視されている。今度こそ幕内での活躍を期待したいのだ。

日刊ゲンダイは、把瑠都が女性連れで、すれ違った男性を「ブッ飛ばしてケガを負わせ」たとしているのだけど、時事通信などによると、警察は出動したものの、その男性が被害届けを出していないため、事情を聴かれただけで事件としても扱われていないのだとか。身長197センチ、体重174キロという力士の中でも大柄な把瑠都なだけに、ぶつかっただけで吹っ飛んでしまっただけなのかもしれない。ちなみに、「Anfield God forever and ever . . .」というブログには、十両優勝した夏場所後に六本木での把瑠都の目撃談が記されているので、しょっちゅう遊びにいっているみたい。

しかし、師匠の尾上親方は把瑠都に謹慎を言い渡したのだけど、協会に報告したのは3カ月も経った10月24日。名古屋場所終了時といえばちょうど「朝青龍問題」が噴出した最中なので、そうした事情から報告を控えたのかもしれないけれど、こんなところにもなんとなく角界の隠蔽体質が感じられるのだ。こうしたことから協会は、把瑠都だけでなく尾上親方にも厳重注意することを決定している。

「週刊現代」(講談社)が報じた八百長疑惑も決着がついておらず、まだまだ世間の冷たい視線を浴びそうな大相撲。この際、たまったウミをすべて吐き出して、より魅力の感じられるものに改善していってほしい。ファンとしても、早く安心して相撲を見たいのだ。

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