暴漢対策に妙案? 日本人発明の「忍者スカート」が世界で話題に。

2007/10/24 21:45 Written by コジマ

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国連が2000年に調査したデータによると、日本の犯罪率(刑事犯罪件数/総人口)は1.92%。これは米国(8.51%)や英国(9.76%)、お隣の韓国(3.26%)と比べると低く、殺人事件も10万人あたり0.50件と、米国の4.55件や英国の1.61件、韓国の2.02件を下回っている(米国の数字は99年調査のもの)。ぼくらは世界でも安全な国に住んでいるということになるのだ。

とはいえ、今月に入ってからも子供や女性が被害者となる事件が相次いでおり、1つ1つの犯罪内容の凶悪化から体感治安は悪化する一方。繁華街の裏路地や人気のない夜道などは、男のぼくでも怖くなるときがある。防犯ブザーや催涙スプレーなどの防犯グッズを持ち歩いたり、護身術を習う女性が増えてたりしているのもうなずけるのだ。

こうした中、日本人女性デザイナーが開発した防犯グッズが、世界で話題となっている。その防犯グッズとは、真っ赤なスカートを広げるとコカ・コーラの自動販売機に変身するというもの。広げたスカートに隠れて周りの風景に溶け込む姿はまるで忍者のようで、米紙ニューヨーク・タイムズの記事を受けた英紙デイリー・メールは、「忍者スカート」として紹介しているのだ。

この「忍者スカート」を開発したのは、愛媛県松山市出身の月岡彩さん。1978年生まれで、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科を卒業後は東京を拠点にクリエーター集団「ネルベニア」のメンバーとして活動し、現在は1人で創作活動を行っているとのこと。この「忍者スカート」の正式名称は「瞬間自動販売機スカート」で、学生の頃から温めてきたアイデアを01年に発表したのだそう。コカ・コーラだけでなく、サントリーや伊藤園などさまざまな種類があるのだ。これを含めた作品群「新カクレンボ大作戦」は、東京・青山の複合文化施設スパイラル主催の芸術イベント「SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)」の第2回大会でグランプリを受賞している。

月岡さんは、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに「騒動になることを好まない日本人は、隠れるほうが簡単だと考えるだろう」「外国人には変に映るかもしれないが、自動販売機の多い日本では現実的」と答えている。プリントがリアルなので、特に4面を囲うデラックスタイプは一瞬だと分からないかもしれない。ただ、月岡さんも指摘しているように、犯罪者に追いかけられているときに素早く「自販機」に変身させることができるのかは疑問で、さらに、当然蛍光灯がついていないため夜だとバレてしまう危険性もあるのだ。

そもそも「瞬間自動販売機スカート」は防犯グッズではなく芸術作品で、こうしたインタビューへの回答も月岡さんのジョークなのかもしれない。芸術作品であるがゆえに価格は800ドル(約9万1000円)もするのだけど、それでもこれまでに20着が売れたのだそう。このほか、「カクレン防具」としてマンホールそっくりの「置いたらマンホールバッグ」や、消火器に変身する「瞬間消火器ランドセル」などもラインアップしている。防犯グッズとしてではなく、芸術作品、おもしろグッズとして楽しめそうなのだ。

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