空のクルージングといえば、セスナ機やヘリコプターが一般的。雄大な自然や美しく輝く夜景を空から眺めるという、ほかでは経験できないアングルから見た世界は格別なものだろう。そんな空のクルージングに、新たな選択肢として飛行船が登場した。株式会社日本飛行船が所有する、世界最大の飛行船「ツェッペリンNT」を利用した遊覧クルーズをJTBが企画、11月23日から運航を始める。
「ツェッペリンNT」は全長75メートル(ジャンボジェット機は70メートル程度)の巨大な船体が特徴の8人乗りの飛行船。ドイツのツェッペリン・ルフトシフ・テヒニーク社が1993年から開発に着手、完成にこぎ着けたもので、世界にまだ3隻しか存在していない。日本には日本飛行船の1隻のみで、あとの2隻はドイツでの観光遊覧、南アフリカでの資源探査に使われているという。
今回、JTBが企画したのは東京の上空をゆったりと遊覧するクルーズ。埼玉・桶川にある「桶川運航基地」を起点に、池袋〜上野〜浅草〜汐留〜六本木〜渋谷〜新宿と巡って再び「桶川運航基地」に戻るコースを飛ぶ。ヘリコプターの高度(600〜1,000メートル)よりも低い、地上300〜600メートル付近を飛行するため、より下界の様子がハッキリと見られるのも飛行船ならではだ。
運航日は11月23日(金・祝)〜2008年1月5日(土)のうち27日(104回)を設定。元日には「初日の出フライト(午前6時〜8時)」や「初詣フライト(午前8時15分〜9時45分)」の特別クルーズも用意。価格は曜日や時間によって異なるが、12万6000円〜16万8000円となる。
日本で初めての飛行船の遊覧クルーズ。価格は少し高めではあるが、物珍しさやスペシャル感から人気を集めそうだ。(モノメトロ編集部)