電子辞書が人気を集めるいまの時代でも、一家に一冊あると何かと便利な岩波書店の「広辞苑」。1935年に発行された「辞苑」をベースに戦後産声を上げた「広辞苑」は、1955年に初版が発行され、以降7〜8年に1回のペースで版を重ね、現在は1998年に発行された第5版が最新のモノなりよ。日本で最も愛され、利用されている辞書のひとつなりよね。
そんな「広辞苑」が来年1月11日に、10年ぶりの改訂となる第6版を発行することが正式に発表されたなり。これまで長い歴史の中で積み重ねてきた約23万語に加え、時代に沿った「新語」の類、方言でよく使われる言葉、昭和の事象などを含めた1万語をプラス。さらにボリュームを増した「知の泉」へと進化を遂げているなりよ。
どのような言葉が新たに追加されたのか、いくつか簡単に見ておくと(公式ページより)。
◎現代語
いいとこどり/いけ面/癒し系/めっちゃ/顔文字/午後一/逆切れ/客単価/自己中/食育/代引き/中食(なかしょく)/風評被害/うざい/引籠り...etc
◎カタカナ語
カミングアウト/クレーマー/デパ地下/コンシエルジュ/ベーグル/スキミング/フリーペーパー/セカンドオピニオン/着メロ/トートバッグ/カルパッチョ/パティシエ/ラブラブ/リベンジ...etc
◎自然・人間
メタボリック症候群/海洋深層水/O157/エコノミークラス症候群/特定外来生物/臍帯血(さいたいけつ)/SARS/京都議定書/ジェネリック医薬品/鳥インフルエンザ/シックハウス症候群/PTSD...etc
◎人物
井深大(ソニーの創業者の一人)/アルマーニ(ファッションデザイナー)/ダイアナ(チャールズ皇太子妃)/今村昌平(映画監督)/丹下健三(建築家)/宮沢喜一(総理大臣)/胡錦濤(中華人民共和国主席)/ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)/安藤百福(日清食品創業者)/植木等(俳優)/藤村富美男(プロ野球選手)/プーチン(ロシア大統領)/ローリング−ストーンズ(ミュージシャン)...etc
これらはごくごく一部ではあるなりが、21世紀になって初めての「広辞苑」というだけに、近年普通に使われるようになった言葉や、誰もが認知しているような人物などがたくさん収録されるなりね。「広辞苑」には「流行語は収録しない」「広く使われていない言葉は収録しない」といった収録基準が存在するため、「萌え」や「クールビズ」などは今回の改訂では収録が見送られているなりよ。
価格は来年6月30日までは「完成記念特別定価」として、普通版が7,875円(定価8,400円)、文字の大きい机上版が12,600円(定価13,650円)。また、DVD-ROM版(10,500円)や携帯電話版(3キャリア対応、月額105円)も同日にリリースとなるなり。
次の改訂までまた10年近くの時間を要することを考えると、来年中に発売されたばかりの新版を購入しておくほうが長く愛用できそう。すでに「広辞苑」を利用している人も、買い換えを検討してみてはいかがなりか?