動画にリアルタイムでコメントを付けられるという斬新なアイディアで人気となっている「ニコニコ動画」。どんなにつまらない動画でも、投稿者のコメントによってたちまち面白いものに変わってしまうから不思議なのだ。ぼくもよく見ていて、中日の「キモかわいい」マスコット、ドアラの面白さを知ったのもこの「ニコニコ動画」だった。特に「
ドアラ グッドウィルドームに立つ!」は、ドアラの面白さが十分に引き出されているので必見なのだ。
サービス開始当初から「新・豪血寺一族−煩悩解放−レッツゴー!陰陽師」や「あいつこそがテニスの王子様」などが人気となり、最近でも、楽曲制作ソフト「初音ミク」が大ヒットした原動力になったり、投稿された動画から「ねこ鍋」がDVD化されている。サービス開始からわずか10カ月で登録数が300万人を突破し、時間によるアクセス制限のない有料会員も10万人を超えたのだ。
この「ニコニコ動画」は日本だけでなく台湾でも大人気となっているようで、「ウィキペディア」によると、8月2日に台湾の「2ちゃんねる」的存在の「ptt」という掲示板の利用者が制作した動画が投稿され、日本人の利用者に好印象で迎えられたという。こうした台湾からの利用者増加によって、10月18日には台湾語(繁体字中国語)での投稿・閲覧に対応しているのだ。
そうした中で、台湾人258人が大学の講堂に結集し、日本のアニメソングを日本語で大合唱している投稿動画が話題となっている。10月20日に投稿された「せっかくだから台湾人258人で一緒に組曲『ニコニコ動画』を歌ってみた!」という動画で、この原稿を書いている10月23日午後8時現在で再生数が13万回、コメント投稿数も12万件を超えるほどの人気となっているのだ。
この動画は、国立中央大学(國立中央大學)という台湾を代表する国立総合大学のアニメ部「中央動画社」が作成した映像で、10月14日に台湾各地のアニメファンを集めて同大講堂で開いたイベント「歌謡祭」の模様を収めたもの。モニターには「ニコニコ動画」で人気の動画などととともに歌詞が表示され、詰めかけた台湾のアニメファンたちが日本語で大合唱しているのだ。
歌われているのは「ニコニコ動画」で人気のアニメソングを組み合わせた「ニコニコ組曲」と呼ばれるもので、11分11秒の中で「ウルトラセブンのうた」からCMで話題の「創聖のアクエリオン」まで70曲近くにも及び、最後は「初音ミク」による「さくら」で幕を閉じている。説明文から動画中の解説まで全部日本語で表記されているため、台湾語が読めなくても楽しく視聴できるのだ。
これに対して、日本からは「すげえww」「感動した」「台湾最高!!!!!」「台湾めちゃくちゃ好きになった」など好意的なコメントが多数投稿されており、コメントと再生回数の多さに感動した動画投稿者が会場で放映したビデオを新たに投稿するなど、「ニコニコ動画」がちょっとした国際交流、日台友好の場となっている。
せっかく国境のないインターネットなのに、国際交流となると言語の壁を感じることが少なくない。しかし、台湾には哈日(ハーリー)族 と呼ばれる日本が大好きな若者が急増しており、日本語を話せる人も多いので、「ニコニコ動画」のような言語や文化の共有が重視される場でもこうした交流が可能となったようなのだ。今回のようなことがどんどん行われれば、ネットがより楽しくなるかも。ちなみに、次の「歌謡祭」は12月22日に開かれる予定とのこと。次回の映像にも期待なのだ。