アラレが悟空に勝利、思い出に残る「ジャンプ」漫画ランキング。

2007/10/21 20:29 Written by コジマ

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少年漫画誌の王様として君臨する、集英社の「週刊少年ジャンプ」。1990年代には人気漫画が多数掲載されていたこともあって650万部を突破したのだけど、3大紙の1角である毎日新聞の当時の発行部数が400万部弱だったことを考えると、いかに異常な数字かが分かるのだ(1位は読売新聞の約1000万部、2位は朝日新聞の約800万部)。まあ、日刊と週刊の差があるので単純に比較できないけど。

しかし、1995年から発行部数は徐々に低下していき、97年にはライバル誌の「週刊少年マガジン」(講談社)に抜かれてしまう。02年には首位を奪還したものの、現在の発行部数は283万9792部(日本雑誌協会調べ)と黄金期の半分以下。それでも、全雑誌の中でトップとなっているのだ。

その「週刊少年ジャンプ」部数低下の原因となったのが、95年の「DRAGON BALL」(鳥山明)連載終了。創刊から右肩上がりだった発行部数が初めて低下に転じたというのは、その人気ぶりが示されているのだ。また、翌年には「SLAM DUNK」(井上雄彦)が終了し、さらに拍車がかかった。そんな「週刊少年ジャンプ」に連載されていた思い出に残る作品のランキングをgooが発表したのだけど、1位は「DRAGON BALL」でも「SLAM DUNK」でもなかったのだ。

この調査は、9月25〜27日に「gooリサーチ」のモニター1098人(男性53.37%、女性46.63%)を対象に行ったもの。年齢層の構成は、30歳代が29.33%と最も多く、次いで40歳代が27.69%。ランキングはこうした年齢層の多さも反映して、黄金期作品が多く選ばれている。そのほか、19歳以下が8.01%、20歳代が15.12%、50歳代が11.11%、60歳代が8.74%だった。

孫悟空や桜木花道を破って1位となったのが、則巻アラレの「Dr.スランプ」。鳥山明のデビュー作として80年に連載が始まった。「週刊少年ジャンプ」での人気もさることながら、全国区になったのが翌年から始まったアニメ版「Dr.スランプ アラレちゃん」なのだ。「ウンチ」がたくさん登場するので世間的に「問題作」ともなり、ぼくが通っていた保育園でも全園的に禁止になった。母のいないときや従兄の部屋などでこっそり見ていたのだけど。実は、「週刊少年ジャンプ」編集部は連載作品のアニメ化に消極的だったのだけど、この「Dr.スランプ」で大成功したために一転して積極的になったというエピソードがあるのだそう。

2位は、81年連載開始の「キャッツ・アイ」が選ばれた。こちらも「シティー・ハンター」などで知られる北条司のデビュー作なのだけど、美人3姉妹の盗賊、その1人が彼女らを追う刑事の恋人という設定がウケ、アニメ化はもちろんのこと、テレビドラマや実写映画にもなった人気作品なのだ。

3位は現在も話題沸騰の「北斗の拳」(原作:武論尊、作画:原哲夫)で、「DRAGON BALL」が4位、「シティーハンター」が5位と、鳥山明と北条司の作品がベスト5以内に2作品ずつ入る形となった。以下、「キン肉マン」(ゆでたまご)、「キャプテン翼」(高橋陽一)、「ハイスクール!奇面組」(新沢基栄)と80年代を中心に誌面を彩った作品が続いており、ほかにも「きまぐれオレンジ☆ロード」(まつもと泉)が13位、「聖闘士星矢」(車田正美)が14位、「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)が16位、「魁!!男塾」(宮下あきら)が17位など、80年代連載開始作品がベスト30中最も多くを占めているのだ(「キン肉マン」は79年連載開始)。

90年代連載開始作品は、「幽☆遊☆白書」(冨樫義博)が10位で最も高く、「SLAM DUNK」は11位だった。それに「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」(和月伸宏)が12位、「ヒカルの碁」(原作:ほったゆみ、作画:小畑健)が19位、「地獄先生ぬ〜べ〜」(原作:真倉翔、作画:岡野剛)が20位で続いている。今回のランキングは「思い出の」というだけあって、現在も連載されている作品は対象外となっているため、この時期始まった「ONE PIECE」(尾田栄一郎)や「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博)、「NARUTO―ナルト―」(岸本斉史)などはランクインしていないのだ。ちなみに、「ジョジョの奇妙な冒険」は続編の「スティール・ボール・ラン」が連載中だけど、「ウルトラジャンプ」に移ったため対象となっているみたい。

一方、70年代作品では「ど根性ガエル」(吉沢やすみ)が9位、全国の学校でスカートめくりを流行らせた「ハレンチ学園」(永井豪)が15位に選ばれたほか、「サーキットの狼」(池沢さとし)が18位、「はだしのゲン」(中沢啓治)が21位、「侍ジャイアンツ」(原作:梶原一騎、作画:井上コオ)が23位、「ドーベルマン刑事」(原作:武論尊、作画:平松伸二)が26位となっている。

「プレイボール」(ちばあきお)や「アストロ球団」(原作:遠崎史朗、作画:中島徳博)、「リングにかけろ」(車田正美)、「ブラックエンジェルズ」(平松伸二)、「よろしくメカドック」(次原隆二)、「遊☆戯☆王」(高橋和希)、「シャーマンキング」(武井宏之)、「DEATH NOTE」(原作:大場つぐみ、作画:小畑健)など、漏れていることが意外な作品も多いけど、こうして見てみると、本当にいろいろな漫画が連載されていたんだなあと、改めて「ジャンプ」の偉大さを実感したのだ。ぼくが大好きだった「ろくでなしBLUES」(森田まさのり)や「珍遊記―太郎とゆかいな仲間たち―」(漫☆画太郎)、「花の慶次―雲のかなたに―」(原作:隆慶一郎、作画:原哲夫)、「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」(うすた京介)などが入っていなかったのが残念だったけど。


☆思い出に残る「週刊少年ジャンプ」の漫画ランキング(goo調べ)

1. 「Dr.スランプ」 鳥山明 (1980〜84)
2. 「キャッツ・アイ」 北条司 (1981〜84)
3. 「北斗の拳」 原作:武論尊、作画:原哲夫 (1983〜88)
4. 「DRAGON BALL」 鳥山明 (1984〜95)
5. 「シティーハンター」 北条司 (1985〜91)
6. 「キン肉マン」 ゆでたまご (1979〜87)
7. 「キャプテン翼」 高橋陽一 (1981〜88)
8. 「ハイスクール!奇面組」 新沢基栄 (1982〜87)
9. 「ど根性ガエル」 吉沢やすみ (1970〜76)
10. 「幽☆遊☆白書」 冨樫義博 (1990〜94)
11. 「SLAM DUNK」 井上雄彦 (1990〜96)
12. 「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」 和月伸宏 (1994〜99)
13. 「きまぐれオレンジ☆ロード」 まつもと泉 (1984〜87)
14. 「聖闘士星矢」 車田正美 (1985〜90)
15. 「ハレンチ学園」 永井豪 (1968〜72)
16. 「ジョジョの奇妙な冒険」 荒木飛呂彦 (1987〜04)
17. 「魁!!男塾」 宮下あきら (1985〜91)
18. 「サーキットの狼」 池沢さとし (1975〜79)
19. 「ヒカルの碁」 原作:ほったゆみ、作画:小畑健 (1998〜03)
20. 「地獄先生ぬ〜べ〜」 原作:真倉翔、作画:岡野剛 (1993〜99)
21. 「はだしのゲン」 中沢啓治 (1973〜74)
22. 「ストップ!!ひばりくん!」 江口寿史 (1981〜83)
23. 「侍ジャイアンツ」 原作:梶原一騎、作画:井上コオ (1971〜74)
24. 「まじかる☆タルるートくん」 江川達也 (1988〜92)
25. 「電影少女」 桂正和 (1989〜92)
26. 「ドーベルマン刑事」 原作:武論尊、作画:平松伸二 (1975〜79)
27. 「DRAGON QUEST ダイの大冒険」 原作:三条陸、作画:稲田浩司 (1989〜96)
28. 「ジャングルの王者ターちゃん」 徳弘正也 (1988〜90)
29. 「銀牙―流れ星 銀―」 高橋よしひろ (1983〜87)
30. 「ウイングマン」 桂正和 (1983〜85)

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