東京・銀座にある「中銀カプセルタワービル」や、マレーシアの「クアラルンプール国際空港」、大阪・心斎橋の「ソニータワー」など、代表的な作品は数知れず。その独創的な設計は、師匠とも言える故・丹下健三氏(新東京都庁舎やフジテレビ本社などを設計)とともに、世界的に高く評価されている建築家・黒川紀章氏。今年1月にオープンし、東京の新たな観光スポットになった六本木の「国立新美術館」の設計も手がけているため、意識せずとも、各種メディアで取り上げられた黒川氏の作品を目にしているはずなりよ。
でも、黒川氏の名前を誰もが認知するようになったのは、何と言っても今年の東京都知事選や参院選への出馬なりよね。2月の都知事選には共生新党を立ち上げて出馬するも、結果は大敗。続く7月の参院選でも、妻で元女優の若尾文子と共に共生新党の候補者として東京都選挙区から出馬するも、あえなく落選。政治家になるという目標は潰えてしまったなりが、派手なパフォーマンスや言動から、テレビのバラエティ番組などにも面白おかしく取り上げられ、その認知度は飛躍的にアップしたなりね。古くからその筋では知られた「天才」には違いないなりが、世間一般には今年がブレイク(?)年と言っても過言ではないなり。
黒川氏の類い希なキャラクターをテリー伊藤が絶賛していたこともあり、これからますますテレビでの活躍が見られるのでは……と思われていたなりが、突然、訃報が飛び込んできたなりよ。12日午前、入院先の東京女子医大病院で多臓器不全(心不全説も)のため他界したというなり。享年73。あれだけ元気なパフォーマンスを見せていたのに、あまりに唐突なりよ……。
フジテレビの報道によると、妻の若尾文子はかなり取り乱しているようで、まだ落ち着いてコメントを出せるような状態ではないのだとか。黒川氏の公式ページには「建築家 黒川紀章 73歳 10月12日 朝8:42 心不全のため逝去致しました。」と一言だけ訃報が掲載されているなり。
バラエティ番組などで見せたあのパワーからすれば、80歳になっても、90歳になっても元気でいそうな雰囲気だっただけに、あまりに呆気ない他界は本当に残念なりよ。心からお悔やみ申し上げますなり。