出会いから魅力まで、「機動戦士ガンダム」のアムロとシャアが対談。

2007/10/02 23:18 Written by コジマ

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30年近く経ったいまでもその輝きを失わないアニメ「機動戦士ガンダム」。10月6日には、中日の落合博満監督も注目しているという新シリーズ「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」が始まるけれど、ガンダムファン最大の関心事は12月21日に発売される初代「ガンダム」の劇場版3作品が収められたDVDメモリアルボックス。パンフレットやポスターなど復刻版の劇場アイテムなどが初回特典として用意されており、楽しみにしている人も多いと思うのだ。

また、ケツメイシの新作『ケツノポリス5』やスカイパーフェクTV!の「ガンダム祭り」のCMなどで見かける機会が多くなっている。そんな中、「ファースト」といわれる初代「ガンダム」の主人公、アムロ・レイとそのライバルであるシャア・アズナブルの声を担当した古谷徹と池田秀一が毎日新聞のまんたんウェブで対談を行っているのだ。

まず、それぞれの役の出会いについて。2人とも音響監督を務めていた松浦典良氏にアムロ役のオーディションを勧められたことがきっかけのようで、池田秀一は自分の声がアムロに合わないと思っているところへ、シャアのイラストを発見。シャアが「やってくれ」と言っている気がして、シャア役に就けるよう依頼したようなのだ。当時、「巨人の星」で星飛雄馬役を務めた古谷徹は、熱血ヒーローから脱皮するきっかけになるのではないかと感じたのだそう。

数々の名セリフについて、古谷徹は「5行ぐらいの内容を1行のせりふに凝縮している。当時は新鮮だったんじゃないでしょうか」としている。こうした奥深さが、いまもファンを魅了している一因となっているのかも。ただ、「たどたどしいし、語尾もはっきり聞こえないのですが、16歳の少年らしかった。いまやると、ただの物まねになってしまう」としているし、池田秀一は「シャアの『いい女になるのだな』というせりふも、今だと“邪心”が入るね」と語っているのだ。

一方、古谷徹は、「ニュータイプ」に目覚めていくアムロの表現に苦労したもよう。なんでも富野由悠季・総監督はニュータイプの設定を知らせていなかったようで、アニメの設定でもニュータイプに気づかないアムロに合わせて古谷徹が気づくのを待っていたのだとか。また、芝居が変わることを嫌がり、池田秀一にもシャアとセイラ・マスが兄妹であることを教えなかったみたい。富野総監督のこだわりと声優たちの苦労が作品にリアリティを出しているとは、まったく知らなかったのだ。

「ガンダム」の魅力について、古谷徹は「一言では言えませんが、個性的なキャラクターやモビルスーツはもちろん、綿密でち密なストーリーです。未来の人類はガンダムのような問題を抱えてしまう、と思わせちゃうことでしょう」とし、池田秀一は「それまでのアニメは、正義と悪役が分かるのだけど、ガンダムはそれぞれの正義があって、分からないのですよね。ガンダム以降、亜流の作品が登場しましたが、『分からなきゃいい』ってもんじゃないし、それまでのアニメは、『生きる』という哲学はありませんでした」としている。

この対談を読んで、劇場版メモリアルボックスが欲しくなってきてしまったのだけど、古谷徹は「機動戦士ガンダム00」でナレーションを担当し、「やるからにはファーストを越える」(ウィキペディアより)と語っているのだそう。久しぶりに新たな「ガンダム」を見てみようかな。

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