F1日本GPでトラブル続出、富士SWの運営に観客から怒りの声。

2007/09/30 23:34 Written by コジマ

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1977年以来、30年ぶりに富士スピードウェイ(SW)で開催されたF1の日本グランプリ(GP)。初開催の76年を髣髴とさせる悪天候の中で予選も決勝も行われたのだけど、フェルナンド・アロンソ選手(マクラーレン)が大クラッシュするなどの波乱が起き、67周中23周にセーフティーカーが入る(速度を落として追い抜き禁止)という大混戦となっていたのだ。

レースはルイス・ハミルトン選手(マクラーレン)が優勝してワールドチャンピオンに王手をかけたのだけど、水しぶきが上がる戦いは観客席からよく見えず、セーフティカーの先導が3分の1以上を占めたレースは、大雨のうえに気温19度という寒い中で集まったファンにとってちょっと物足りなかったのではないだろうか。それでも、ヘイッキ・コバライネン選手(ルノー)とキミ・ライコネン選手(フェラーリ)の2位争いや、フェリペ・マッサ(フェラーリ)とロバート・クビサ選手(BMW)の6位争いなどの見所はあったのだけど。しかし今回は、レース自体よりも興行の点でトラブルが続出していたのだ。

富士SWは、初開催の76年は台風を伴う大荒れの天気で自らリタイアするドライバーが続出し、翌年はコースアウトしたジル・ヴィルヌーヴ選手に巻き込まれ観客2人が死亡するという大事故が発生。開催2年で鈴鹿サーキットにその座を譲ってしまったのだけど、安全性に加えて問題となっていたのが交通渋滞。77年に優勝したジェイムズ・ハント選手は、渋滞を避けるために表彰式を欠席しているのだ。

30年ぶりの開催となった今回、富士SW側は指定の駐車場や駅から会場までのアクセスをシャトルバスに限定し、徒歩すらも禁止するという渋滞対策を講じた。ところが、29日の予選終了後、雨のためにシャトルバスの場内走路3カ所が陥没したため約9万人の観客のうち約2万人(4万人という説も)が足止めされるというトラブルが発生。雨の降る気温の低いの富士山の麓で、5時間以上待たされた人もいたようなのだ。しかも、お詫びにと富士SW側が配った飲み物は冷たく、トイレは1時間待ちの状態だったのだとか。バスに乗っても渋滞していたため、降りて歩く人の姿もあったそうなのだ。

それでも翌日の決勝には約14万人が来場したのだけど、会場へ向かうシャトルバスが大渋滞となり、午後1時半のスタートに間に合わなかった観客が続出。さらに、第1コーナー寄りのC指定席の一部からレースが見えないことが判明し、この席を取った観客約7000人分の指定席料金を返却し、スタートに間に合わなかった85人にもチケット代のほか交通費や宿泊費などを全額返却することになったのだ。払い戻しの総額は、3億5000万円にものぼるのだそう。

こうした混乱から、観客たちから「この混雑が改善されない限り、もう来たくない」(スポーツニッポンより)という怒りの声が上がっており、鈴鹿サーキットと比較してそのお粗末な運営を非難する人も少なくなかった。やはり、30年の空白は埋められなかったようなのだ。また、鈴鹿と比べて弁当が高かったことにも不満が続出している。1万円もする「F1グランプリ弁当」なるものまで売られていたみたいだし。

日本GPは来年も富士SWで開催され、09年以降は鈴鹿サーキットと交互で開かれることが決定しているのだけど、このままではファンの心が離れ、来年以降の開催も危ぶまれるのだ。


☆2007年日本GP決勝順位

1. ルイス・ハミルトン(マクラーレン)
2. ヘイッキ・コバライネン(ルノー)
3. キミ・ライコネン(フェラーリ)
4. デビッド・クルサード(レッドブル・ルノー)
5. ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)
6. フェリペ・マッサ(フェラーリ)
7. ロバート・クビサ(BMW)
8. エイドリアン・スーティル(スパイカー)

10. ルーベンス・バリチェロ(ホンダ)
11. ジェンソン・バトン(ホンダ)
12. 山本左近(スパイカー)
13. ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)
15. 佐藤琢磨(スーパーアグリ)

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