11月にレッド・ツェッペリン再結成されるの報は全世界に衝撃を与え、公演チケットに予約が殺到しているようだけど、同月にセックス・ピストルズが一夜限りでライブを行うなど、まだまだ“再結成ブーム”はやみそうにない。バンド側としては新たな曲を用意することなくたくさんお客さんが集まるので大きな利益が得られるのだけど、ファンとしてもやはりかつて熱狂した人たちのライブを再び味わえるのは、うれしいことなのだ。

そんな中、世界的な音楽専門チャンネルであるMusic Choiceが、欧州の視聴者約5000人を対象に「再結成してほしいバンド」の投票を行い、その結果が発表された。1位に選ばれたのは、プログレッシブ・ロックのバンドの中でも高い人気を誇るピンク・フロイドだったのだ。

ピンク・フロイドは解散自体はしていないものの、長い間活動を停止している。いまでも復帰を願うファンは多く、2005年7月に行われた「LIVE 8」ロンドン公演での復活ライブは、英紙デイリー・ミラーによる投票でベスト・パフォーマンスに選ばれているのだ。全盛期のメンバーは健在なものの、草創期のリーダーだったシド・バレットは昨年7月に他界している。

2位はスウェディッシュ・ポップスの源流ともいえるABBAがランクイン。夫婦2組による親しみやすい音楽が世界的にヒットしたのだけど、2組とも離婚し、82年に活動を停止している。しかし、90年代にはリバイバルブームが起こり、01年リリースのベスト盤はオリコンチャートで3位を獲得するなど根強い人気を誇るだけに、今回の2位も納得なのだ。彼らのヒット曲22曲で構成されたミュージカル「マンマ・ミーア！」は日本でも劇団四季が上演するなど、世界中でロングラン公演を続けている。

3位には、つい先日、日本公演を行ったガンズ・アンド・ローゼズが選ばれている。こちらはおそらく、現在はヴェルヴェット・リヴォルヴァーとして活動しているスラッシュやダフ・マッケイガン、マット・ソーラムらをメンバーとして復活してほしいということなのかも。ぼくの周りのガンズ・ファンたちも、いまのメンバーには不満を抱いているようなのだ。

このほか、4位にザ・ジャム、5位にフージーズ、7位にヴァン・ヘイレン、8位にワム！などが選ばれている。4位のザ・ジャムはデビュー30周年を迎えた今年に「From The Jam」名義で再結成しているのだけど、やはりポール・ウェラー抜きというのがファンにとって不満みたい。ポール・ウェラーといえば、フジテレビ系「とくダネ！」のオープンニングテーマにも選ばれていたいたスタイル・カウンシルも復活してもらいたいのだ。また、トーキング・ヘッズは02年の「ロックの殿堂」入りの際に一夜限りの再結成を行ったのだけど、メンバー間は不穏な空気が流れていたことから、再び集うことはなさそう。デヴィッド・バーンは「再結成は確実にない」と断言しているみたいだし。

こうしたランキングでいつも上位に入るビートルズやクイーン、ニルヴァーナ、クラッシュなどが選ばれていないのは、オリジナルメンバーでの復活が無理だからなのかな。

一方、この調査では「解散してほしいバンド」についても投票を受け付けたのだけど、1位は再結成したばかりのスパイス・ガールズが選ばれている。うーん、なんとも皮肉なのだ。それでも、12月からの世界ツアー（日本公演はなし）はたくさんのお客さんを動員するんだろうなあ。

2位には同世代の男性アイドルグループ、ウエストライフが選ばれた。昨年11月リリースのニューアルバムはビートルズやU2、オアシスと発売日が重なりながらも週間チャートで堂々の1位を獲得するほどの人気を誇るのだけど、「ユア・ビューティフル」のジェイムス・ブラントのように、男性から敬遠されているようなのだ。同じマネジャーが作った男性アイドルグループ、ボーイゾーンが「再結成してほしい」の10位に選ばれているのが面白いなあ。

このほか、3位はリアリティー番組から生まれたガールズバンドのガールズ・アラウド、4位はオアシス、5位にはローリング・ストーンズが選ばれている。ストーンズは、解散していたら再結成してほしいバンドの上位にランクインしそうなのだ。


☆再結成してほしいバンド（Bands people want to see reform）ベスト10

1. ピンク・フロイド
2. ABBA
3. ガンズ・アンド・ローゼズ
4. ザ・ジャム
5. トーキング・ヘッズ
6. フージーズ
7. ヴァン・ヘイレン
8. ワム！
9. スパンダー・バレエ
10. ボーイゾーン


☆解散してほしいバンド（Bands people want to see split）　ワースト10

1. スパイス・ガールズ
2. ウエストライフ
3. ガールズ・アラウド
4. オアシス
5. ローリング・ストーンズ
6. ブラック・アイド・ピーズ
7. コールドプレイ
8. ボン・ジョヴィ
9. インエクセス