国内初の「ブランド活力」測定発表、トップは東京ディズニーランド。

2007/09/25 19:18 Written by コジマ

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商売をするうえで、ものづくり同じくらい大切なのがブランド力の育成。ぼくも出版社にいたので雑誌のブランディングの重要性を耳にタコができるほど聞かされてきたのだけど、せっかくブランドイメージが確立されていても、しっかりと活用できずに消えていく企業・商品なども少なくないのだ。

こうした中で、時代に合ったやり方で磨いていっているブランドが多く存在するのも事実。そうしたブランドが持つ成長力や能力を測定・分析し、将来どのくらい成長するかを予測するのに、米広告会社ヤング・アンド・ルビカムのブランド・アセット・バリュエーター(BAV)を使った「ブランド・エナジー(活力)」測定が活用されている。そのBAVを使った国内初の調査が、ヤング・アンド・ルビカムと電通の合弁会社である電通ヤング・アンド・ルビカムによって行われたのだ。

今回の調査は、日本全国の18〜69歳の男女2211人を対象に、101ジャンル、1100ブランドについて56項目の質問を行ったもの。日本の測定結果の前に、2005〜07年に実施された海外のランキングを見てみると、米国では

1. ディズニー
2. ピクサー
3. ボーズ
4. ドリームワークス
5. マイクロソフト
6. グーグル
7. ヴィクトリアズ・シークレット
8. ハーレー・ダビッドソン
9. イケア
10. ナイキ

となっている。欧州ではイケアが英国、ドイツ、フランスで1位、イタリアでも2位、グーグルが英国で5位、イタリアで3位、ドイツとフランスで8位、ナイキがそれぞれ8位、7位、6位、7位に選ばれるなど、各国に共通して強いブランドは外資系となっているのだ。一方で、英国ではダイソンが2位、イタリアではフェラーリが1位、ドイツではポルシェとBMWが2、3位、フランスでは電気製品チェーンのFnac(フナック)が3位など、自国企業の名前もちらほら。日本企業は、英国で7位のソニーのみとなっている。

中国では、ディズニーやノキア、アディダスなどの外資系がトップ3を占めたものの、携帯電話会社・中国移動(チャイナモバイル)の「M-Zone」やインターネットの3大ポータルの1つである「捜狐(SOHU)」と「新浪網(SINA)」、メッセンジャーサービスの「騰訊QQ」など、国内サービスも多数ランクインしている。ただ、そのすべてがインターネット系となっているのが面白いのだ。

今回発表された日本の「エナジーランキング」のトップ10は以下のとおり。

1. 東京ディズニーランド (455.7)
2. スタジオジブリ (321.0)
3. ナイキ (320.5)
4. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (306.0)
5. 任天堂 (263.0)
6. ユーチューブ (247.9)
7. 東急ハンズ (244.8)
8. アップル (242.2)
9. ディズニー (241.3)
10. ユニクロ (222.4)
※カッコ内はエナジースコア

東京ディズニーランドが2位に大差をつけて1位になっており、9位にもディズニーが選ばれた。ディズニーブランドの強さが浮き彫りになっているのだ。ただ、東京ディズニーランドの成長率は−23%だそうで、スタジオジブリやユニバーサル・スタジオ・ジャパンも低下している。逆に、成長率が最も高かったのは33位のイケアで、脅威の796%を記録。次いで、23位のソフトバンクが276%、5位の任天堂が197%、24位のグーグルが196%、13位のアマゾンが175%、19位のシャープが120%となっているのだ。

携帯電話事業者ではソフトバンク・モバイルが16位(初調査対象のため成長率はなし)でトップ、auが20位(成長率50%)で追っているのだけど、NTTドコモはベスト40位に名前が出ていない。一方、自動車業界はトップのトヨタ自動車でも36位(成長率10%)で、ホンダが39位(同−40%)。他の企業はランク外だったのだ。飲食チェーンでは、再上陸を果たしたバーガーキングが26位でトップとなっている。

この測定がどの程度の正確性があるかは分からないけど、ランキングに基づいて米市場の株ファンドで4年間運用したところ、高い収益が得られたのだそう。株式投資をしている人にとって、1つの指標となりそうなのだ。

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