ロンドン・パンク誕生の瞬間は諸説あり、セックス・ピストルズの『勝手にしやがれ!!』とクラッシュの『白い暴動』がリリースされた1977年もその1つ。パンク誕生30周年を迎えた今年は、クラッシュのジョー・ストラマーの半生を描いた「LONDON CALLING」(ジュリアン・テンプル監督)や、パンクの歴史を追った「PUNK’S NOT DEAD」(スーザン・ダイナー監督)、ラモーンズのトリビュート「TOO TOUGH TO DIE」(マンディ・スタイン監督)と、3本のパンク映画が同時期に公開され、『勝手にしやがれ!!』の紙ジャケット仕様盤やシングルの限定アナログ盤も発売される。
そんな『勝手にしやがれ!!』発表から30年を迎えたことを記念して、96年に再結成したセックス・ピストルズが、11月8日にロンドンのブリクストン・アカデミーでライブを行うことが決定したのだ。ピストルズのライブは、03年の米ツアー以来のこと。レッド・ツェッペリンほどではないだろうけど、こちらのチケットも争奪戦が予想されるのだ。
メンバーは『アナーキー・イン・ザ・UK』リリース時と同じのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)、スティーヴ・ジョーンズ、ポール・クック、グレン・マトロックの4人。96年の再結成時に聞こえてきた「シド(・ヴィシャス)のいないピストルズなんてピストルズじゃない」という意見がまたまた出てきそうだけど、多くのソングライティングを手がけ、アルバム収録時はシドに代わってベーシストを務めたグレン・マトロックこそオリジナルメンバーなのだ。
現在ジョン・ライドンは英国でリアリティー番組に出演したことから若者の認知度も高いのだけど、それは「おかしなことをいう変わったオッサン」という認識のされ方なのだとか。今回のライブで、若者にもかっちょいい姿を見せてほしいのだ。ただ、メンバーが太り過ぎちゃって当時のかっこよさは完全再現できないだろうけど。スティーヴ・ジョーンズなんて、マフィアにしか見えないもんなあ。
また、1977年リリースの「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」は、すでにピストルズが社会から毛嫌いされたことと、エリザベス女王在位25周年記念と重なったため(だからこの曲を発表したのだけど)、愛国主義者を中心に国中からの批判を受けて、BBCはチャート2位まで上昇した時点で放送禁止にしている。そのことから、30年を経た今年にこの曲を1位にしようとしているキャンペーンも行われているのだとか。
ツェッペリンの再結成ライブも行われるので、ますます11月に渡英したくなってきたのだ。