英国人が選ぶ「最も感動した映画」、94年公開作品がトップ3独占。

2007/09/17 23:42 Written by コジマ

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派手なアクションが観たい、心温まる物語に触れたい、おバカな話で笑い飛ばしたいなど、映画に求めるものは人によって、またその日の気分によって変わってくるもの。しかし、そこにあるさまざまな種類の感動は、多くの人が求めているのではないだろうか。そんな感動した映画について、英HMVが来店者を対象にアンケートを実施したのだ。

「感動」についてもさまざまな意見はあるものの、2000作品にものぼる候補の中から選ばれた上位3作品は、英国で94年に公開されたハリウッドの感動大作で占められている。94年の目玉作品と言えば、「フォレスト・ガンプ/一期一会」(ロバート・ゼメキス監督)。ウィンストン・グルームによる小説「Gump and Co.」を原作としたストーリーや主演のトム・ハンクスの高い演技力が評価され、第67回アカデミー賞では作品、監督、主演男優、脚色、編集、視覚効果の6賞を受賞している。しかし、この「フォレスト・ガンプ/一期一会」を抑えて1位になったのは、アカデミー賞で同作品に敗れた無冠の名作「ショーシャンクの空に」(フランク・ダラボン監督)だったのだ。

「ショーシャンクの空に」は興行成績も芳しくなかったようだけど、その完成度の高さがビデオ化後に口コミで広がっていった映画として有名。ラストシーンの爽快感は、本当に感動的だったのだ。映画ファンも納得の1位なのではないだろうか。

2位は、米国では前年に公開された「シンドラーのリスト」(スティーヴン・スピルバーグ監督)が選ばれた。第二次世界大戦中のドイツによる虐殺からユダヤ人を救った人物を描いており、第66回アカデミー賞で「フォレスト・ガンプ/一期一会」をしのぐ7部門を受賞した。自身もユダヤ系であるスピルバーグ監督は凄惨なシーンの撮影が続いたことに気が滅入り、監督料の受け取りを拒否したエピソードも有名で、「ショーシャンクの空に」とは違った重厚な感動を与えてくれた作品なのだ。

これらに続いて、ようやっと「フォレスト・ガンプ/一期一会」が3位に選ばれた。以下、46年公開の「素晴らしき哉! 人生」(フランク・キャプラ監督)が4位、00年公開の「リトル・ダンサー」(スティーヴン・ダルドリー監督)が英国製映画で最高位の5位となっている。94年公開の映画だとクエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」が大好きなのだけど、今回のランキングには入らなかったのだ。たしかに感動作品ではないけれど。

そのほか、こちらも刑務所ものである00年公開の「グリーンマイル」(フランク・ダラボン監督)が7位でトム・ハンクス主演作品2作がトップ10入りし、同じく00年公開で大企業相手に約400億円の和解金を勝ち取るという痛快な感動を与えてくれた「エリン・ブロコビッチ」(スティーヴン・ソダーバーグ監督)が8位。このランキングでは異質だけど、「スター・ウォーズ ジェダイの復讐(ジェダイの帰還)」(ジョージ・ルーカス監督)も10位に選ばれている。ちなみに、「エリン・ブロコビッチ」で演じたジュリア・ロバーツに劣らないほど美人のエリン・ブロコビッチ氏本人は、オーストラリアで鉱山会社を相手取った集団訴訟に参加することが報じられたのだ。

このランキングを報じた毎日新聞にはトップ10しか掲載されていないのだけど、「24dash.com」には50位までが掲載されている。そこには、「グラディエーター」(11位、00年公開)、「ET」(14位、82年公開)、「ロッキー」(25位、76年公開)、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(26位、03年公開)、「ライフ・イズ・ビューティフル」(31位、97年公開)、「レインマン」(34位、88年公開)、「ベン・ハ−」(35位、59年公開)、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(36位、90年公開)、「フィールド・オブ・ドリームス」(37位、89年公開)、「スタンド・バイ・ミー」(40位、86年公開)、「サウンド・オブ・ミュージック」(41位、65年公開)、「大脱走」(45位、63年公開)といった大作がそろっているのだけど、「アメリ」(16位、01年公開)や「プリティー・ウーマン」(23位、90年公開)、「エイリアン」(27位、79年公開)など、幅広く選ばれているのが興味深い。

ここに入っていない作品でぼくが感動したものは、アル・パチーノの演技が光っていた「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(92年公開)や、ジョニー・デップ×レオナルド・ディカプリオ×ジュリエット・ルイスという豪華キャストをそろえた「ギルバート・グレイプ」(93年公開)、60年代のブラジルの闇を描いた「シティ・オブ・ゴッド」(02年公開)、父と息子の確執と和解を描いた「ビッグ・フィッシュ」(03年公開)などなど。「ホテル・ルワンダ」(04年公開)も衝撃的な感動を与えてくれたなあ。「ゴッドファーザー」シリーズが入っていないのは、ちょっと意外だったのだ。


☆英HMV調査「最も感動した映画(most inspiring movie)」トップ20

1. 「ショーシャンクの空に」(1994)
2. 「シンドラーのリスト」(1994)
3. 「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)
4. 「素晴らしき哉! 人生」(1947)
5. 「リトル・ダンサー」(2000)
6. 「ブレイブハート」(1995)
7. 「グリーンマイル」(2000)
8. 「エリン・ブロコビッチ」(2000)
9. 「タイタニック」(1998)
10. 「スター・ウォーズ ジェダイの復讐(ジェダイの帰還)」(1983)
11. 「グラディエーター」(2000)
12. 「ビューティフル・マインド」(2002)
13. 「クリスマス・キャロル」(1938)
14. 「ET」(1982)
15. 「いまを生きる」(1989)
16. 「アメリ」(2001)
17. 「アラバマ物語」(1962)
18. 「炎のランナー」(1981)
19. 「シティ・オブ・エンジェル」(1998)
20. 「ガンジー」(1982)

※カッコ内は英国での公開年度

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