ロックの金字塔として、エルヴィス・プレスリーやビートルズらと並ぶ称賛を受けているレッド・ツェッペリン。ビートルズとは違う方向にロックの可能性を広げ、いまなお支持者を増やしている。ぼくは世代的にズレているのだけど、初めて「天国への階段」を聴いたときの感動は忘れられないのだ。
1980年にドラムのジョン・ボーナムが過剰飲酒で窒息死したことによって惜しまれつつ解散したのだけど、85年に行われたイベント「ライブ・エイド」でフィル・コリンズに招かれてステージで演奏したほか、88年のアトランティック・レコード創立40周年記念コンサートではジョン・ボーナムの息子であるジェイソン・ボーナムをドラムに迎え、一夜限りの復活ライブを行っている。
そのレッド・ツェッペリンが、19年ぶりに再結成されることが9月12日に報じられた。以前から噂されていた11月26日にロンドンのO2アリーナで行われるアトランティック・レコードの創始者、アーメット・アーティガン会長の追悼コンサートでライブを行う予定で、メンバーは88年の復活ライブのときと同じ。さらに、今回は一夜限りでなくツアーも検討しているとのことで、この報道に世界中のファンが狂喜したのだ。
O2アリーナでのコンサートにはザ・フーのピート・タウンゼントや元ローリング・ストーンズのビル・ワイマンなどが参加することもあり、125ポンド(約3万円)のチケットに19年分のうっぷんがたまったファンたちの殺到が予想されていた。会場の収容人数は2万人なので、関係者の分を抜くとかなり限られた人しか観ることができないのだ。
事実、用意されたチケットは1万4500枚だそうだけど、先着順ではないのに予想をはるかに上回る事態となった。9月14日までに、申し込み人数が2000万人を超えたそうなのだ。英国の人口(03年現在で5960万人)の3分の1以上にも及ぶ応募で、1分あたり8万件を記録。これにより、応募を受け付けている
公式サイトが処理能力を超えて一時ダウンしてしまった。
今年4月に開催された「Live Earth」のUK公演では、6万枚のチケットを求めて20万3000人の応募があったことで話題になったのだけど、今回はこれをはるかにしのぐ数字。あらためてレッド・ツェッペリンの偉大さを確認させられたのだ。主催者は「チケットは抽選で当たる。締め切りは9月17日なので落ち着いて申し込んで欲しい」(
朝日新聞より)と、沈静化に奔走しているのだそう。
こうなってくると、「eBay」あたりで超高額取り引きされることも予想される。10月1日の抽選発表後は、「レッド・ツェッペリンの再結成ライブのチケットが○○万円で取り引き」なんてニュースが報じられそうなのだ。11月26日に渡英できるツェッペリンファンは、この超プラチナチケットの争奪戦に参加してみてはいかが?