オペラ界の巨匠ルチアーノ・パバロッティ氏、生まれ故郷にて永眠。

2007/09/07 13:07 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


すい臓がん。初期の症状がほとんどなく進行も早い上、予後が極めて悪く、がんの中でも特に怖い部類の病気です。腫瘍が体のほかの場所に転移して、初めて腹痛などの不快感を感じることが多いそうで、そうなるとすでに治療も難しくなってしまうのだとか。

この病気と闘っていたのが、かの三大テノールのひとりとして音楽界の頂点に立っていたルチアーノ・パバロッティ氏。もうニュースで大きく伝えられているのでご存知の方も多いかと思いますが、昨日の9月6日にイタリア北部の自宅でお亡くなりになってしまったとか。71歳でした。

パバロッティ氏は1935年、イタリアのモデナにてパン職人の息子として生まれ、師範学校を卒業後声楽を学び始めました。26歳の時に声楽コンクールで優勝したことから、オペラの舞台への出演依頼が入るようになったそう。30歳になる前にはすでに、世界的に有名な歌劇場である英国のロイヤル・オペラ・ハウス、そしてイタリアはミラノにあるスカラ座で、それぞれ舞台デビュー。高音の輝かしい歌声から「キング・オブ・ハイC」と呼ばれるようになりました。

それにしてもパバロッティ氏は、クラシック音楽好きな人のみならず、一般大衆にも名を知られた人物でした。それはテレビ出演や野外コンサートなどを積極的に行ったことが理由に挙げられます。さらにプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスと組んだ「三大テノール」の演奏会は特に人気を呼び、CDの売り上げがクラシックのジャンルでは驚異的な記録だったそうです。

しかし2004年の時にオペラの舞台からは引退。その後はオリンピックなどの大きなイベントに特別出演するのみとなっていました。そして2006年にはすい臓がんが見つかり、手術を受けたものの、術後の回復はあまりよくなかったそうです……(涙)。

彼が横たわる棺は、すでに彼の生まれ故郷であるモデナの大聖堂に運び込まれ、明日8日午後には葬儀が行われる予定。イタリア首相も出席する予定で、多くのファンが彼に最後の別れを告げることになります。

謹んでお悔やみ申し上げます。


TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.