恐喝で逮捕の元GI騎手安田康彦、現役時代から続いていた奇行。

2007/09/06 23:55 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


コンビニエンスストアで店員を脅したとして、9月5日に恐喝容疑で逮捕された安田康彦元騎手。1999年の秋華賞や01年の宝塚記念を制しているため「元GIジョッキー逮捕」と報じられたのだけど、01年に覚せい剤取締法違反と銃刀法違反で逮捕され、調教師免許を剥奪された田原成貴元騎手がまた何か事件を起こしたのかと勘違いしたのだ。

京都府警東山署の調べによると、安田元騎手は無職の男とともに8月13日の午前4時ごろ、京都市東山区のコンビニエンスストアで「日曜に買ったスポーツ新聞が土曜のやった。店長を呼んでこい」と男性店員に言いがかりをつけて顔へ販売用の新聞を投げつけたり、取り上げた店員の眼鏡をカウンターにたたきつけたりした。さらに「お前、1000万円払え。殺すぞ」と脅しながらカウンターを蹴飛ばして威嚇した揚げ句、ビールやウコンドリンクなど17点の代金約4600円を踏み倒したのだとか。安田元騎手は酒に酔っていて覚えていないそうだけど、有名人なのにとんでもないことをしてしまったのだ。

安田元騎手は元騎手にして調教師の父に持ち、01年には父が育てたメイショウドトウで宝塚記念を制覇している。騎乗センスの高さは多くの人が認めるところで、天才肌で人気薄(高配当)の馬で勝利するため、「穴男」の異名も。91年のデビューから06年の引退までに402勝を挙げたのだ。

ところが、現役時代から素行にかなり問題があったようで、飲酒したまま調教に参加したり無断で休んだりなど、関係者からはクレームが相次いでいたそう。00年には酒気帯び運転と法定速度34キロオーバーで逮捕され、2カ月間の騎乗停止処分を受けている。

さらに、夕刊フジには「急に行方不明になって東京の調理師学校に通っていたり、函館の飲食店で働いたり。常識では計り知れない行動ばかり」という証言が寄せられている。そして、飲酒によるトラブルが続出したため、昨年4月に騎手を引退。引退届けも父の安田伊佐夫調教師が提出したのだとか。

引退後は音信不通になりつつも、関係者には「東京で株取引をやっている」と伝えており、逮捕後は警察にも「コンピューターによる株取引」を職業として申告している。ただ、現住所は東山区となっているのだ。

関係者の中からは「いつかこうなると思っていた」という声も聞かれたそうだけど、日本調教師会の中村均会長が「JRAのGIジョッキーという看板は一生ついてまわる。元騎手という誇りをもっていてほしかった」(夕刊フジより)と語るなど、多くの関係者が落胆しているようす。ファンも残念なのだ。ただ、一番驚いたのは現場となったコンビニエンスストアのオーナーのようで、「ビックリした。まさかあの安田さんとは。ジョッキーとして立派な方やったのに」(サンケイスポーツより)というコメントを寄せている。

2ちゃる騎手―天然ジョッキーたちのウワサの真相」(高崎武大著)などで述べられているとおり騎手の奇行は少なくないようだけど、田原元騎手と今回の安田元騎手の事件は笑い話では済まなくなっている。多くのファンを魅了した有名人の逮捕は、なんだかすごく悲しいのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.