ファイル交換ソフト「Winny」の対策ツール発売、価格は500万円。

2007/09/04 23:39 Written by コジマ

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相次ぐ報道にもなかなか後を絶たず、社会的問題になっているファイル交換ソフト「Winny」による情報流出。6月には現役警官のパソコンから警視庁の捜査資料が流出して大問題になったけど、きょう9月4日も監査法人トーマツの職員から監査先企業24社の業務に関する資料やその取引先などの個人情報が流出したことがニュースになっているのだ。

こうした中、「Winny」から流出したファイルの保有IPアドレスを特定するソフトが発売された。開発したのは、Winny検出ツールを開発した鵜飼裕司氏らが設立したフォティーンフォティ技術研究所で、ソフトの名前は「WinnyRader」。このソフトは、「Winny」で利用されている暗号を復元しながらネットワークに存在するすべてのノードを巡回し、各ノードが持つIPアドレスを含むファイルの所在情報を収集してデータベースに蓄積するのだそう。要は、流出ファイルが持つIPアドレスが分かるというものなのだ。

「WinnyRader End User Edition」と「WinnyRader Service Provider Edition」の2種類があり、前者は自分の会社の情報漏えい対策用、後者は他社へのサービスを行っている会社用。インターネットが接続できる環境があればどこでも設置できるそうで、「Winny」対策に頭を悩ませている会社にとって、福音ともなりそうなツールなのだ。ただ、未然に防げないことが難点だけど。

ところがこの「WinnyRader」、価格がなんと500万円もする。官庁あたりならほいほい買ってしまいそうだけど(税金で)、一般企業にとって500万円は痛い出費。これなら、別の防止方法を模索したほうがよいかもしれないのだ。IPアドレスが分かっても削除はプロバイダに依頼しなければならないなどの作業も発生し、流出したファイルに対しては手の打ちようもないということも、500万円の価値があるのか疑問に思ってしまう。

ただ、このソフトを導入したと社内で発表すれば、抑止力にはなるかも。「WinnyRader」の登場によって、「Winny」による情報漏えいが減るのか、今後を見守りたいのだ。

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