ホワイトハウス敷地内の珍事、実は政治家同士のイタズラと判明。

2007/09/03 14:04 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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カール・ローブ次席補佐官。彼は政治活動コンサルティングの専門家としてその手腕を認められ、以前からジョージ・W・ブッシュ氏の選挙運動等にかかわってきた人です。現大統領が就任した後も、今度はホワイトハウスにて政策・戦略担当上級顧問という役職を得て、現政権への影響力がもっとも強い人物であるといわれていました。一時は「影の大統領」と呼ばれたこともあるとか……。

そのローブ次席補佐官ですが、先日突然辞任を表明。先月31日付けでワシントンDCを離れ、今後は家族の住むテキサスに戻るのだとか。最近支持率が低くなるばかりで、世論の風当たりも強くなっているブッシュ政権にとって、ローブ氏の退任はかなりの打撃になると心配の声もあがっています。まあ、そのブッシュ氏の任期もそろそろ終わりなんですけどね。

ところでローブ氏が辞任する直前、彼の愛車がとんでもないイタズラにあっていたのです。テキサス州に大統領と出かけていた彼。その間、ホワイトハウス内の駐車場に自分のジャガーを停めておいたのですが、何者かが車をプラスチック・ラップでグルグル巻きにして、さらにワシとゾウのぬいぐるみ、「I love Barack Obama(オバマ氏大好き)」や「KING KARL(カール大王)」と書かれたステッカーなど、いろいろなモノで飾り付けられていたのです。

民主党のオバマ氏は、もちろん共和党のブッシュ政権にとってはライバル。それなのに「アイ・ラブ」って、あーた(汗)。この嫌味度の高さから想像すると、今回の出来事は共和党を敵対視する人々の嫌がらせか? とも受け取れます。しかしイタズラがされた場所はセキュリティーの厳しいホワイトハウス敷地内。そんな一般人が入れる場所でもないし……。ってことは内部関係者の仕業ってことか。それもなんかある意味恐ろしいなぁ(笑)。

しかしコレはアメリカ人の大好きな、いわゆる「プラクティカル・ジョーク」だったのです。しかも犯人はアル・ハバード国家経済会議委員長という、これまたローブ氏同様、ホワイトハウスでは重要なお仕事をしている人物。そんなお堅い政治家同士の間柄でもこんなフザけた遊びを、しかも職場で繰り広げるってのがいかにも米国って感じです。

なんでも今回は犠牲者になったローブ氏ですが、実はホワイトハウスでは相当の「イタズラっ子」として有名だったのです。常になんらかのジョークを仕掛けては、周囲の人々を困らせていたそう。しかもハバード氏は毎回ローブ氏の格好の餌食となって、迷惑かけられっぱなしだったのです。

車に鍵を差し込んだままにしておく癖のあるハバード氏。何度も駐車場でローブ氏に勝手に車を移動させられ、どこかに行ってしまったそれを探してあっちこっち歩き回った経験があるとか。なので今回ローブ氏が辞任することが決まった時に、最後のチャンスとばかりに仕返しを企てたのですね。

テキサスの出張から帰ってきたローブ氏、自分の車を発見した時はさぞかしビックリしたことでしょう。でもイタズラ大好きな彼は、逆に仕掛けられた対象になってもニコニコだったとかで、それなりに状況を楽しんでいたらしいです(笑)。

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