ついに成人の1/3が肥満の州も、米市民への警告の鐘となるか。

2007/08/29 13:54 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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鶏肉のもも肉よりも、むな肉の方が高い米国。これはむな肉がさっぱりしていて脂肪が少ないから、米消費者に好まれるためだといわれています。同様に牛肉でも日本じゃ高価な「霜降り肉」より、脂身の少ない「リーン・ミート」と呼ばれる赤身がこちらでは人気。こうした食べ物の嗜好を見る限り、米国人はさぞかし健康的な人が多いんだろうなぁ、と思いますよね……。

ところがどっこい。

ご存知の通り米国では肥満が社会問題として、もうずいぶん長い間取りざたされております。さらに政府が率先して行っている肥満防止運動も効果がまったく出ておらず、太った人は全米で確実に増え続けているのです。「Trust for America’s Health」という疾患予防の活動を行うNPO団体が、この度まとめた調査によりますと、国内31州で体格指数のBMI値が30以上の人口が増加傾向にあるのだとか。しかも減少した州はゼロ(汗)。

一番割合が多かったのがミシシッピ州の30.6%で、成人の3人に1人が肥満というから驚きです。続いてはウェスト・ヴァージニア、アラバマ、ルイジアナと、貧困層の多い州がランキングのトップに連なっています。低所得者は食事を高カロリーの加工食品に頼りがちであり、さらに彼らの住む地域は治安の関係で、野外の運動がなかなか出来ないなど、そういった問題も関連してきているようですね。さらに南部にこれらの州が集まっているのも、彼らの伝統的な食事に揚げ物が多いということが理由に挙げられます。なんでもきゅうりのピクルスを揚げた料理まであるとか……。

逆に肥満率が一番少なかったのがコロラド州。17.6%と全米で「唯一」20%を越さなかった州です。それでも大体6人に1人が肥満だという計算なんですけど。

しかし、3人に1人が肥満かぁ……。ついにここまで来たか、というのが正直な感想です。これから本腰入れて肥満防止に取り組んでいかないと、近い将来太っている人の方ががそうでない人より多くなる、なんてことも(涙)。いや冗談じゃなくて、今のままだったらかなり有り得ることですから!

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