「波乱のパソコンメーカー」ゲートウェイをエイサーが買収へ。

2007/08/28 11:47 Written by コ○助

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2000年前後のDOS/Vパソコンの世界では珍しかった、個性的な「牛柄」を前面に押し出したブランド展開で、一部に熱狂的なマニアを生んでいたゲートウェイ。「『日経パソコン』誌でのパソコンメーカーサポートランキングで1999年度、2000年度、2001年度と3年連続1位を獲得」(Wikipediaより)するなど、今でこそどのメーカーも力を入れているアフターサービスの大切さにいち早く目を付け、高く評価されていたメーカーだったなりよ。また、当時はまだ少数派だった直販スタイルもウケ、派手な宣伝はなくとも着実にユーザーを増やしていたなりね。

でも、そんなゲートウェイが日本から撤退したのは2001年の夏も終わりかけの頃のことだったなり。世界的なパソコン需要の低迷から本社を構える米国での業績が急速に悪化し、日本をはじめイギリス、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドといった国外市場から一斉に撤退。米国市場に経営資源を集中させ、再起を図るための措置だったなりが、あまりにも発表から撤退までがアッという間だったことから、呆然とするユーザーも少なくなかったなりよ。このときの撤退の仕方の「まずさ」は、当時を知る者の間では、今でも語りぐさになっているほど。実は、コ○助も呆然を通り越して唖然としてしまった、ゲートウェイユーザーの一人だったなり(笑)。

コ○助がゲートウェイのユーザーになったのは、あの「牛柄」に憧れ、当時のDOS/Vパソコンとしては独特とも言える筐体デザインに物欲をそそられたから。スペック的にはPentium MMX 200MHz、メモリ16MB、HDDは2.5GB。これで価格は27万円近くだったなりが、この価格でも当時としてはかなり安い方だったはずなりよ。直販メーカーの「価格破壊」ぶりに、非常に満足していたのを今でもよく覚えているなり。

さて、そんなゲートウェイも世界市場から撤退後の3年間で業績を見事に立て直し、米国市場ではそれなりのシェアを維持。そして、2004年1月に格安パソコン販売でおなじみのイーマシーンズ(eMachines)を買収し、さらに同年12月には日本への再進出も果たしたなりね。現在、量販店などを中心に、「Gateway」と「eMachines」の2つのブランドを展開。コストパフォーマンスの良さから、一定のユーザーを獲得するに至っているなりよ。撤退時の「まずさ」を知る者も少なくなり、今ではまた「安い牛柄のメーカー」として定着しつつあるなりね。

米国でも、海外でも好調に業績が推移しているゲートウェイは、現在米国ではヒューレット・パッカード、デルに次ぐ3位のシェアを誇るメーカーなりが、8月27日、台湾のパソコンメーカーであるエイサーがゲートウェイを買収することが明らかになったなりよ。エイサーは日本ではそれほど大きなシェアを獲得していないのでピンと来ないかもしれないなりが、OEM生産などで大きなシェアを獲得しており、世界レベルでは第4位の巨大メーカー。ゲートウェイはエイサーの傘下に入ることで、互いの得意とする地域でのシェア拡大を目指すなりね。

潰れそうになるほどの業績悪化、世界市場からの撤退、華麗なる復活、そして買収……と、まさに「波乱のパソコンメーカー」と言えるゲートウェイ。これからどのような道を歩んでいくのか、注目していきたいなり。

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