“ニルヴァーナの赤ちゃん”も高校生、MTVに現在の心境を語る。

2007/08/20 23:54 Written by コジマ

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1990年代初頭に世界を席巻した音楽ムーブメント、グランジ。パンクの衝動とハードロックのダイナミズムが融合したサウンドが若者たちの心をとらえ、米シアトルは発信基地として大注目された。このムーブメントの中心にいたのが、地元出身のニルヴァーナ。近年は94年に自殺したフロントマンのカート・コバーンに再び焦点が当てられ、関連映画やグッズなどが次々と世に出てきている。現在も、カート・コバーンを描いた映画「カート・コバーン アバウト・ア・サン」が公開されているのだ。

そのニルヴァーナが大ブレイクした作品といえば、1991年リリースのセカンド・アルバム『ネヴァーマインド』。「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」などの名曲が収録されており、音楽誌による過去の作品のランキングでは常に上位へランクされるほどの名作となっている。このアルバムのもう1つの魅力といえば、釣り針につけられた1ドル紙幣に向かって裸の赤ちゃんがプールで泳いでいるというなんとも不思議なジャケット。奥田英朗の小説「イン・ザ・プール」でもフィーチャーされており、この赤ちゃんの局部が「大人のモノ」であることなども当時から話題となっていたのだ。

『ネヴァーマインド』の発売から16年、フルヌードを披露した赤ちゃんも立派に成長していまでは高校生となり、米MTVのインタビューに答えているのだ。この赤ちゃんの名前は、スペンサー・エルデンくん。カリフォルニア州の高校に通う17歳で、多感な時期であるためか、アルバムが世界で1000万枚を売り上げことから「たくさんの人に僕の裸を見られたと思うと、ゾッとするよ」と、いまでも複雑な心境のようなのだ。

このジャケットは当初、カート・コバーンは水中で生まれてくる赤ちゃんかサルの写真を採用したかったようだけど、既存の写真から選ぶ予定が経費の問題から計画を変更。結局、カメラマンの友人の息子だった生後間もないスペンサーくんをプールで泳がせることとなったのだ(裏ジャケにはサルを採用)。しっかり目を開けているのだけど、釣り針につけられた1ドル紙幣以外はすべて実際の写真なのだそう。

ジャケット撮影時の面影を残しているスペンサーくんは「僕は世界一のポルノ俳優になった気分さ」なんて自らを揶揄しながらも、「僕がアルバムの表紙になったなんて、かっこ良いことだと思う。でも、僕にとっては“ニルヴァーナの赤ちゃん”として成長してきたから特別なことではないんだ」としているのだ。このスペンサーくん、米国ではかなりの有名人で、01年にはローリング・ストーン誌の特集で登場し、今年7月にも米国のテレビ番組の特集「Classic Albums」にも出演しているのだ。

スペンサーくんがミュージシャンを目指しているかは分からないけれど、カートとコートニー・ラヴの娘であるフランシス・ビーンとともに、今後注目の人物となるかも。16年経ってもいまだに影響を与え続けている『ネヴァーマインド』、やはり名作中の名作なのだ。

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