カル・リプケンがスポーツ外交特使に、米政府のイメージ回復にも貢献。

2007/08/15 19:45 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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カル・リプケン・ジュニア。現役時代に2,632試合連続出場という大記録を達成したMLBの「鉄人」を、野球ファンでなくてもご存知の方は多いのではないでしょうか。この偉業を成し遂げるまでに要した15年間、大きなケガとスランプを経験しなかっただけでも、アスリートとしては奇跡的な話です。ちなみに彼はバルチモア・オリオーズで1981年から2001年まで、どこにも移籍せず、プロ野球人生すべてをひとつのチームに捧げたという、これまた珍しい選手でもあります。

さてリプケンは、その実績の素晴らしさと人柄のよさから、米国の野球ファンの間で近年最も好意的に受け止められているプレーヤーです。1998年に1シーズン70本本塁打という当時の新記録を達成したのに、引退後はステロイド疑惑で人気を落としたマーク・マグワイヤや、今月7日にメジャー通算本塁打記録の756本を放ったものの、性格の傲慢さで球界一の「憎まれっ子」だといわれているバリー・ボンズ……。こういった選手とは、えらい違い(笑)。

そのリプケンは引退後はマイナーリーグの共同オーナー、少年野球の発展を目的とした財団の設立、ルー・ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症)の研究への援助など、これまたいろいろを活動を続けています。そんな多忙な彼なんですが、先日米政府からスポーツ外交特使として選ばれたのだとか。

13日にライス国務長官が任命したそうで、今後は米各地や海外を訪問し、スポーツを通した交流を行う予定です。もちろんイラク戦争で印象を悪くしている米国の、そのイメージ改善にも一役買う予定。

ただし本人は、政治的な理由でこの外交特使を引き受けるのではなく、あくまで野球を通じた社会貢献として活動を行っていきたいとのこと。しかもこのスポーツ特使、無給のボランティア活動で、交通費しか支給されないんだとか(笑)。

最初の訪問先は10月末の中国。親日家と知られるリプキンのことですから、ついでに日本にも立ち寄ってくれると、ちょっと野球ファンとしては嬉しいかも。

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