2007年度世界大学ランキング発表、東京大がアジアトップの20位。

2007/08/12 10:12 Written by コジマ

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国連開発計画(UNDP)が毎年発表している「人間開発指数(HRI)」の2006年度版ランキングで、前回の11位から7位に浮上した日本。このランキングは健康(平均余命)と教育、生活水準(国内総生産=GDP)の各指数を合算した値で比較するもので、日本はここ数年10位周辺をうろついている。世界一の長寿国なので、平均余命指数はもちろん1位。GDP指数も経済大国として上位に食い込んでいるのだけど、足を引っ張っているのが教育指数なのだ。

教育指数の内訳は成人の識字率と小学校から大学までの総就学率で、9位から11位にHRIの順位を落とした05年度では、ウクライナやカザフスタンより低い46位だった。日本の教育水準は高いというイメージを持っている人が多いので意外だと思うけど、この結果は社会人大学生や編入者が少ないことが原因となっているようなのだ。日本の総就学率も80%台と高いのだけど、欧州などでは就学年齢以外の人たちが大学に入っている率が高いので100%を超えている。

こうして「国の豊かさ」を握っている世界の大学について、中国の上海交通大がトップ500のランキング(Top 500 World Universities)を発表したのだ。この調査は、中国の大学が世界の大学と比べてどのくらいのギャップがあるのかを示すため、同大が03年から毎年行っているもの。ノーベル賞などの受賞者数、「ネイチャー」や「サイエンス」といった学術誌に引用された論文数などで順位を決定している。そのため、医学部があったり理系が強い大学が上位に入っているのだ。07年度ランキングのベスト10を見てみると、

1. ハーバード大学 (米国、1)
2. スタンフォード大学 (米国、3)
3. カリフォルニア大学バークレイ校 (米国、4)
4. ケンブリッジ大学 (英国、2)
5. マサチューセッツ工科大学 (米国、5)
6. カリフォルニア工科大学 (米国、6)
7. コロンビア大学 (米国、7)
8. プリンストン大学 (米国、8)
9. シカゴ大学 (米国、8)
10. オックスフォード大学 (英国、10)
※カッコ内の数字は前回の順位

と、英米の大学ばかり。これは、論文の発表は英語が基本となっていることが要因の1つとなっているのかもしれない。ベスト100のほとんどを、米国の大学が占めているのだ。

一方、トップ100に入ったアジアの大学を見てみると、

20. 東京大学 (日本、19)
22. 京都大学 (日本、22)
67. 大阪大学 (日本、61)
76. 東北大学 (日本、76)
94. 名古屋大学 (日本、98)
99. 東京工業大学 (日本、89)
※カッコ内の数字は前回の順位

と、日本の大学のみとなっている(イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学がアジアカテゴリーで64位)。だけど、東工大が10も順位を下げていることが気になるのだ。調査の目的である中国の大学は、精華大学の151〜202位が最高位だった。このほか、北海道大学、筑波大学が102〜150位、九州大学、台湾大学(台湾)、ソウル大学(韓国)が151〜202位、広島大学、慶応大学、神戸大学、韓国科学技術院(韓国)、南京大学(中国)、北京大学(同)、上海大学(同)が203〜304位となっている。

1つの大学による調査のため参考程度にしかならないかもしれないけれど、最高学府の東京大をはじめ日本の大学が世界的に見てなかなか優秀であることが再確認できた。課題である英語を克服すれば、さらに順位が上がる可能性があるかも。こうした大学が社会人入学をもっと奨励して、HRIの教育指数を向上させてほしいのだ。

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