朝青龍に2場所出場停止と11月まで謹慎の厳罰、30%の減俸も。

2007/08/01 22:53 Written by コジマ

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腰と左ひじの故障などで大相撲夏巡業の休場を届け出ながら、7月25日に故郷のモンゴルで元日本代表の中田英寿らとサッカーのチャリティーイベントに出場していたことが問題になっている横綱朝青龍。7月の名古屋場所で21度目の優勝を果たしたのだけれど、またしても横綱らしからぬ軽率な行動を取ってしまったのだ。

朝青龍はこれまでも、横綱になったばかりの03年名古屋場所で旭鷲山のまげをつかんで反則負けした後、旭鷲山の車のドアミラーを破壊し、同年の九州場所後には師匠に無断でモンゴルに帰国し、先代高砂親方の葬儀に欠席しただけでなく、アントニオ猪木と握手をしている写真がスポーツ紙に掲載された。また、05年にも故二子山親方が亡くなった際にもハワイに行っていたため葬儀を欠席しており、右ひじを痛めて欠場していた昨年夏場所ではモンゴル巡業を求める署名活動を支度部屋で行って北の湖理事長から厳重注意、同年九州場所では稀勢の里に蹴手繰りをしたことから非難の声が続出し、今年春場所にはその稀勢の里を投げた後にひざ蹴り、夏場所では安美錦に負けた腹いせに花道で座布団を蹴飛ばすなど、横綱に見合わないマナーの悪さが指摘されてきた。出稽古で相手力士にケガさせることも問題化したことがあり、まさに前代未聞のお騒がせ横綱となっているのだ。

朝青龍がこうした問題を起こすたびに日本相撲協会は甘い対処をしてきたのだけど、今回ばかりは厳しい処分を下した。8月1日に開かれた臨時理事会では、各理事が「出場停止処分」で一致。約30分で終了したのだ。

下されたのは、9月の秋場所、11月の九州場所の2場所出場停止と九州場所千秋楽までの謹慎処分。さらに、4カ月間の30%減俸も言い渡された。朝青龍の給金は月282万円で、4カ月の30%減俸は約338万円の“罰金”となるほか、出場しなければ力士褒賞金(約400万円)や場所ごとの特別手当(5万円)、懸賞金なども受け取れないので、かなりの制裁となるのだ。また、師匠の高砂親方も監督責任を問われて同じく4カ月間の30%減俸処分となっている。

横綱の出場停止と減俸処分は史上初のことで、日本相撲協会が今回の事態をいかに重く受け止めているかが分かる。北の湖理事長は「ファンあっての大相撲だということを重視した妥当な罰則だと思う。常に自分の行動が多くの人に見られているということを自覚し行動してほしい。盛り返すためにはよほど努力しなければならない。出場停止は残念なこと。協会にとっても大きな痛手だ」(時事通信より)としているのだ。

この処分にはさすがの朝青龍も沈んでいるようで、記者会見を開かずに高砂親方を通して「この結果を真摯(しんし)に受け止め、治療をしながら12月の巡業と1月の初場所に備えます」(読売新聞より)というコメントを残している。

2横綱になって盛り上がりつつあった大相撲、この出場停止を残念に思うファンも多いのではないだろうか。厳しい処分が下されてしまったけど、早くケガを治して戦列復帰に備えてほしいのだ。貴乃花に並ぶ22回目の優勝は、来年初場所以降のお預けになってしまったなあ。

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